Airbusは以前から無人飛行機のVahanaを話題にしてきたが、今年のジュネーブ・モーターショウではItaldesignとの協同で作ったコンセプトデザインを披露した。デモ車両はモジュラー構造で、地上でも空中でも移動できるように作られている。そしてAirbusはこれを拡大する都市交通渋滞の解決案の一つだと考えている。
ご覧の通りそのデザインセンスはSFそのものだが、実用性も考慮して設計されている。他の車両とネットワークを形成して、モバイル端末で乗客からオンデマンドで呼び出されることも想定している。カブセル型デザインの本体は地上、空中両方の移動モジュールと合体可能で、利用者は好みの移動方法を指定できる。既存の交通手段とも連携して全体効率を高めるようにも考えられている。
AirbusとItaldesignはこれを “Poo.Up System” と呼んでいる。人工知能プラットフォームを塔載し、個々のユーザーや利用可能な経路、移動手段等に関する知識を利用して最適な方法を決める。本体は乗客用カプセルで、人間を乗せて地上あるいは空中モジュールと接続する。ハイパーループシステムが実用化すればそれにも対応するとAirbusは言っている。
Pop.Upシステムにはもう一つ、プロジェクト全体が現在のテクノロジーの波に乗るためのしくみがある。移動中にユーザーと「フル・バーチャル環境」で対話するインターフェースだ。ぬかりはない。
残るはこれを現実にすることだけだ。まだ全くのコンセプトにすぎないが、ジュネーブの展示会場にある8.5フィート(2.6 m)のモノコック・カーボンファイバー・ボディーは実物大で、車輪のついた地上モジュールと空中移動用のクアッドコプタードローンシステムも展示されている。
乗客を乗せて飛び回ることは当分ありそうにないが、この非常にクールなデザインを見ていると、拡大と密集化を続ける大都市の日常移動手段としてこれが実用化されるまで、もう少し頑張ろうという気持になれる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)