Instabugを知ったのは、2013年にカイロにいたときだ。そのとき、“アラブの春”から生まれたこの元気な連中が、Y Combinatorの2016年冬季クラスに‘入学’することになるとは、夢にも思わなかった。
今度彼らはAccel Partners率いるラウンドで170万ドルのシード資金を獲得し、モバイルアプリのバグ報告という最初の機能だけでなく、もっと機能を拡張していこうとしている。出資者の中には著名なエンジェル、Clouderaの協同ファウンダーAmr Awadallahや、MoPubのファウンダーでCEOの Jim Payneらがいる。
チームの多くは今でもエジプトにおり、だからMENA(Middle East and North Africa)地域のスタートアップ投資としては、これはかなり大きい方だ。同社のサンフランシスコのオフィスも、もっと大きくしていきたいと同社は考えている。
Instabugは今、元々のバグ報告ツールを拡張して、モバイルアプリをサポートするもっと幅広いキットにしていこう、と目論んでいる。
Instabugが2013年に公開したシンプルなSDKでは、モバイルアプリのユーザーがスマートフォンを振るだけでバグを報告できる。報告には自動的にスクリーンショットとデバイスの詳細情報、ユーザーがそのとき何をしたか、などの情報がついてデベロッパーへ送られる。しかしこういったツールは、いちいち名前を挙げられないぐらいコンペティターが多い。でもInstabugを使えばデベロッパーは、バグの内容やフィードバック、クラッシュの状況などを一箇所で見ることができる。
今では12000のアプリがInstabugを利用しており、App Storeのトップ100のうち26のアプリもそこに含まれている。Instabugが動いているデバイスは、iOSとAndroid合わせて3億近い、と同社は言っている。
2月にInstabugは、Instabug 3.0をローンチした。それにはアプリ内の会話機能があり、チームとユーザーがアプリの中で会話できる。
InstabugのCEOで協同ファウンダーのOmar Gabrは、“シリコンバレーの投資家がエジプトに目を向けて、スタートアップを支援してくれたことは、嬉しい”、と語った。
最初はエジプトのアクセラレータFlat6Labs Cairoの傘下だった同社は、2013年にエンジェル投資家たちから30万ドルを調達している。