もしかするとApple Storeで売られているのを見かけたこともあるかもしれないが、クモのような形のMekaMon(メカモン)ロボットを作っていたReach Robotics(リーチロボティクス)が、業務を停止する。
「世界初のゲームロボット」と称されたMekaMonは、ビデオゲームであると同時にSTEMツールとしての側面を持っている。カーペットの上にポンと置いて、携帯電話をそれに向けて仮想拡張現実の敵と戦ったり、マルチプレイヤーバトルで他のMekaMonオーナーと対決したり、あるいはAppleのSwift Playgroundsでロボット用のカスタムプログラムを作ったりすることができた。
以下に示したビデオは数年前にReach Roboticsを取り上げたときに撮影したものだ。
Reach Roboticsは2013年に設立された。彼らがMekaMonロボットを2017年11月にリリースしたのはシリーズAで750万ドルを調達したわずか数カ月後のことだった。
業務停止のニュースは、Reach Roboticsの共同創業者であるSilas Adekunle(サイラス・アデカンネ)氏のLinkedInで明かされた(もっともすでにThe Robot Reportが指摘していたが)。そこで彼は以下のように書いている。
「消費者向けロボット分野は、特にスタートアップにとっては、本質的に挑戦的な領域です。過去6年間にわたって、私たちは変わらない情熱と工夫と共に、この課題に取り組んできました。開発の最初のトライアルからアクセラレーターそして資金調達ラウンドに至るまで、私たちはMekaMonに命を吹き込み、次世代の技術パイオニアたちの手に渡そうと、戦ってきました。
しかし残念ながら、Reach Roboticsは、少なくとも現在の形では、今日その旅の終わりを迎えることになりました」。
とはいえアデカンネ氏がロボットそのものを完全に諦めてしまうわけではないようだ。Instagram上の公開投稿の中で、彼は「Reach Roboticsは厳しいビジネス環境によって今日業務を停止しますが、現在は刺激的な新しいロボットベンチャーをヨーロッパで、そしてアフリカと中東では教育に関われることを楽しみにしています」と書いている。
一方、共同創業者のJohn Rees(ジョン・リース)氏は、LinkedInに次のように書いている。
「現在全体の評価を続けてはいますが、端的に言うならば世の中で言われるように「ハードウェアはハードである」ということです。そしてクリスマスセール期間に依存する消費者向けハードウェアは、輪をかけてハードなのです」。
2019年は、消費者向けロボットにとっては、かなり厳しい年となっている。3月には、快活で楽しい振る舞いを目指したソーシャルロボットのJiboが、なんとも重苦しい内容のもうすぐ終了してしまうというニュースを、オーナーたちに対して個人的に配信した。
ソーシャルロボットJiboのサーバーがシャットダウンするようです。複数のオーナーたちが、Jibo自身がそのニュースを配信していると報告しています。「いつの日か、今よりもずっと進化したロボットが現れて、誰もがそれを家庭の中に持つようになった日には、そのロボットに『Jiboがよろしくと言ってたよ』とお伝えくださいね」。
「いつの日か、今よりもずっと進化したロボットが現れて、誰もがそれを家庭の中に持つようになった日には」とロボットは語ったのだ「『Jiboがよろしくと言ってたよ』とお伝え下さい」と。
自律運転ラジコンカーと、WALL-Eのような友達ロボットCozmoを作り上げたAnki(アンキ)は4月に閉鎖された。
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(翻訳:sako)