オリンパスが苦戦するカメラ部門をVAIO買収を手掛けたファンドへ売却

オリンパスのカメラ事業が転換期を迎える。3年連続で営業損失を出した後、世界有数のカメラメーカーがその地位を明け渡す(The Verge記事)。同社は今週、2020年9月末までにイメージング部門を売却する意向を発表した。

売却先はジャパン・インダストリアル・パートナーズだ。同社は創業18年の未公開株投資会社で、2014年前半にソニーのコンピューター事業 「VAIO」 を買収したことでよく知られている。

オリンパスのイメージング事業は、1936年のSemi-Olympus Iの製造から始まった。50年代には象徴的なPENラインで、成功を収めた。ここ数年、同社は消費者向けイメージング事業のほとんどをミラーレスカメラに集中させていた。同社の製品は専門家にも消費者にも好評だったが、最近はスマートフォンの普及もあり、イメージング事業全般が苦戦していた。

「オリンパスは、スマートフォンやタブレット端末等の進化に伴う市場の急激な縮小等、極めて難しいデジタルカメラの市場環境に対応するために(中略)収益構造の改善を図ってまいりました」と、同社は述べている。「生産拠点の再編等によるコスト構造の見直しや収益性の高い交換レンズを強化するなど、売上規模が縮小しても継続的に利益を生み出せる事業構造とするべく、収益構造の改善を図ってまいりました」。

オリンパスは他にもオーディオレコーダーなどのコンシューマー向け製品を生産しているが、これらもスマートフォンの台頭で打撃を受けているのは間違いない。非コンシューマー分野では、同社は医療・手術、科学、産業用イメージングなど、さまざまな業界で成功を収めている。

なお、買収の詳細は明らかにされていない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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TechCrunch Japan

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