オンデマンド貨物運送を斡旋するUber Freightがカナダに進出

Uberのサービスであるトラック運転手と運送会社を斡旋するUber Freightは米国時間10月30日、グローバル展開の一環としてカナダでアプリを立ち上げると発表した。

この進出によりUber Freightは、680億ドル(約7兆4000億円)とされるカナダのトラック産業に参入することになる。「同国のトラック産業は深刻なドライバー不足に直面していて、これにより輸送量が制限されている」とUberは指摘した。今回のカナダ進出は9月に発表された欧州への事業拡大に続くものだ。

2017年5月に立ち上げられ、テキサスの限定された地域で始まったUber Freightのオペレーションは全米に拡大し、欧州、そして今やカナダにも広がった。

「開始以来、我々はUber Freightと運送会社、世界を動かし続けているドライバーにとってのチャンスを可能なものにするためにオペレーションの拡大に専心してきた」とUber Freightを率いるLior Ron(リオル・ロン)氏は話した。

同社のプラットフォームは、運送業界の効率アップと荷物を載せないで北米を走行するトラックを減らすのに貢献するとしている。同社によると、米国とカナダを拠点とするローカルの運送会社とドライバーはUber Freightのアプリを使って国内貨物と国境をまたぐ貨物の運送を予約したり、請け負ったりできる。アプリはいま英語とフランス語で提供されている。

Uber Freightは、オンタリオ州とケベック州、そして米国の中西部と北東部につながる国境のあたりにフォーカスしている。そしてカナダ国内の他のエリアにも拡大する計画だ。AB Inbev、Niagara Bottling、Land O’Lakesといった企業を含む1000社超にサービスを提供している。

今年初め、Uber Freightはシカゴに本拠地を構えた。これは親会社がこの地域に年2億ドル(約217億円)超を投資するという大規模計画の一部だ。この投資には数百人の雇用も含まれる。当時、Uberは今後3年で同地域で2000人を新規雇用する、と話していた。この新規雇用の大半はUber Freightでのものとなる。

サンフランシスコとアムステルダムにもオフィスを持つUber Freightは、荷物の配送を含むあらゆる交通輸送で売上をあげるというUberの大きな事業戦略において、重要な一端を担うようになっている。Uberは、Uber Freightが独立事業会社としてスピンアウトした2018年8月以来、トラックプラットフォームにかなりのリソースをつぎ込んできた。それからというもの、同社はオペレーションを拡大したり、アプリを再設計したりしている。アプリの再設計には、新しいナビゲーション機能やアップデートされたマップビュー、スクリーントップにある検索バーなどが含まれる。

画像クレジット:Uber Freight

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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