オンライン商標登録サービス「Cotobox(コトボックス)」を提供するcotoboxは12月2日、同サービスに“AIを活用した業種別のロゴ調査機能”を追加した。
以前にもTechCrunch Japanで紹介しているCotoboxは、企業の商標登録の負担を減らすサービスだ。ブラウザ上で簡単に商標を調査し、出願から管理まで行うことができる。
商標の検索自体は特許情報プラットフォームを使えば行えるが、Cotoboxでは商標とともに業種を入力することで、既に登録済み、または登録の出願中の商標が存在しているか、簡単に無料でチェックすることが可能だ。3月のフルリニューアルにより、具体的に「どの商標と似ているのか」を把握すること、そして商標の検索条件及び結果を保存することができるようになった。
ユーザーが商標登録を希望する場合には、低価格でCotoboxの提携先の弁理士に出願依頼もできる。商標の調査をした後、1クリックで商標登録の依頼に進むと、Cotobox提携の弁理士が、商標調査の結果と、同サービス上でユーザーと行なったメッセージの内容をもとに、出願書類を確定させ、特許庁手続きを行う。商標出願の手数料は6000円からとリーズナブルな値段設定になっている。
そしてCotoboxは本日、「AIを活用した総合的な商標クラウドサービスの実現」に向けて、従来の文字商標調査に加えて、業種別ロゴ調査機能を提供開始した。
Cotoboxいわく、「自社のロゴと似ている商標が、他社によって既に登録又は出願済みになっていることが良くある」。知らずに特許庁へ出願手続きをすると、登録できないだけではなく、他社から商標権の侵害であるとの指摘を受けるリスクもあるという。
前述のような課題を解決するためのロゴ調査機能では、ロゴのJPEGファイルをアップロードし、業種を選択することで、同一、または類似したロゴ商標を表示する。AIの活用により、過去に出願された約92万件のロゴ商標の中から、同一業種の、同一または似ている画像を、最短10秒で見つけ出す。「同じまたは類似の商標なし」、「同じまたは類似と思われる商標あり」、「同じまたは類似の商標あり」といった判定もあり、ロゴの詳細な商標情報を閲覧することも可能だ。
cotobox代表取締役CEOの五味和泰氏は、特許庁の特許情報プラットフォームには、図形をドラッグ&ドロップして検索する機能はなく、「どこで検索するのか、というのが課題としてあった」と話す。そして、弁理士は、Cotoboxのロゴ調査機能がなければ、申し込んだユーザーのロゴに関して、1から全て調査しなければならない。その場合、手間が発生するため、コストも嵩んでしまう。一方、Cotoboxではユーザーが検索機能を自分で使うため、弁理士の手間が削減され、リーズナブルな料金に設定できている。
2017年11月にサービス提供を開始したCotoboxでは、商標調査回数は70万回を超えたという。料金の高さを解決し、弁理士へアクセスしやすくしている。五味氏は「商標登録を後回しにしているケースは結構ある」と話した上で、「商標が取れなかった、もしくは誰かの商標を侵害していた、となると、少なくとも、そのサービス名は1回やめなければならない、もしくは名前を変えなければならなかったり、弁護士を雇って交渉をしなければならない」と加え、商標登録の重要性を説いた。