IoTプラットフォームの「Ockam」が5.3億円超を調達、セキュリティーとスケーラビリティーを強化

Ockamは設立2年になるベイエリア拠点のスタートアップで、IoTデバイスのデベロッパーが「信頼できるアーキテクチャー」を構築するためのツールを開発している。このほどシード資金として490万ドル(5億3700万円)を調達した。出資したのは、Core Ventures、Okta Ventres、SGH Capital、およびFuture Ventures。

このIoT開発向けサーバーレス・プラットフォームを作っているのは共同創業者のCEOのMatthew Gregory(マシュー・グレゴリー)氏とCTOのMrinal Wadhwa(ムリナル・ワドワ)氏は、ともに特筆すべき経歴をもっている。

2017年秋にOckamを設立する前、グレゴリー氏はMicrosoft(マイクロソフト)の「Intrapreneur」(社内起業家)として、Azureのオープンソースソフトウェアとコンテナサービスへの転換を手掛けた。さらに同氏はSalesforce(セールスフォース)でプロダクトマネジャーを数年間務めたほか、ヨットレースのアメリカズカップの参加チームであるStars & Stripesのエンジニアリング責任者として、センサーのカスタムシステム、分析ソフトシェア、ワイヤレス通信ツールなどを開発してレーシングチームの状況判断に役立てた。

一方のワドワ氏は、非上場のIoT企業であるFybrのCTOとして、遠隔地での意思決定に役立つリアルタイムデータ分析に携わった。

Ockamが約束していることの1つは、同社の技術を使い、IoTシステムのデベロッパーがスケーラブルでセキュリティーの高いつながったシステムを開発できるようにすることだ。そのために、暗号化キーを使い、デバイスや人やサービスなどさまざまな対象物に認証情報を割り当てる。

Ockamと同じく、デベロッパーが独自のプラットフォームを作らずに自分たちのサービスを使うようになることを願っている会社はたくさんある。例えば、Ockamと似たIoTデバイス向けプラットフォームを開発しているサンフランシスコ拠点で設立7年のParticleは、最近4000万ドル(約44億円)の調達ラウンドを完了し、調達資金総額を8100万ドル(約88億8500万円)とした。

Ockamのシード資金調達は2つの部分に分かれていて、320万ドルのラウンドは5月に完了しており、170万ドルは最近Future Venturesから追加投入された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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