中国が世界中からのゴミの受け入れを停止してから約1年が経ち、各都市で廃棄物処理の取り組みが進む。かつて中国は世界の都市ゴミの70%を受け入れていた。中国による新しい政策は、ニューヨーク、ロンドン、パリなどの都市がゴミ処理の新しい方法を見つける必要があることを意味する。トロントは、埋め立てまたは廃棄されるリサイクル可能な物や有機物の量を、2026年までに70%削減する目標を掲げている。
とはいえ、都市に共通する1つの問題が目標達成を困難にしている。アパートやマンションなどの集合住宅では、廃棄物をリサイクル可能なものと埋め立てに回すものにしっかり分別するのが難しいのだ。
Sidewalk Labs(サイドウォークラボ)とその投資先であるAMP Robotics(AMPロボティクス)は、トロントで250戸が入るアパートの住民にリサイクル習慣に関する詳細情報を提供するパイロットプログラムに取り組んでいる。「集合住宅はごみの分別が非常に難しい」。Sidewalk Labsのサスティナビリティ担当アソシエイトディレクターであるEmily Kildow(エミリー・キルドー)氏は話す。
建物の所有者と廃棄物運搬業者と協力して、Sidewalk Labsは廃棄物をCanada Fibers(カナダファイバー)の繊維原料回収施設に送る。そこで、Canada Fibersの従業員とAMP Roboticsがゴミを分別する。Sidewalkは廃棄物をさらに細かく選別してデータを取り、アパートの住民に対しSidewalkがどんなリサイクルの取り組みをしているのか説明する。Sidewalkは、3カ月にわたり2週間ごとに、ゴミ分別のコツをアパート全体に対し電子メール、オンラインポータル、掲示板を通じて伝える予定だと話す。
住民にとってはリサイクルできるもの、できないものをより適切に扱うための機会であり、Sidewalk Labsはこの情報が住民の習慣改善に役立つと考えている。ゴミが監視・選別されることを望まない場合、プログラムをオプトアウト(拒否)できる。
Sidewalkの仮説が正しければ、同様の問題に直面している他の都市にも使える技術だ。同社はまた、AMPのゴミ監視に伴うプライバシーに関する懸念を理解している。そこで市と協力して「責任あるデータ使用評価プロセス」をすでに作成し、収集するデータを匿名化し、廃棄物の種類に関するデータのみを収集することを住民に保証する。
「原料回収施設とAMPが収集する個人情報を含まない廃棄物データは、Sidewalk Labs、アパートの住民、建物の所有者が共有する」と同社は述べた。「パイロットプログラム終了時に、Sidewalk Labsは個人を特定できない集計データに基づきレポートを公開する」。
画像クレジット:Ernesto r. Ageitos / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)