[筆者: Kate Clark]
カリフォルニア州議会下院は木曜日(米国時間8/30)に、58対17で、S.B. 822と呼ばれる法案を通過させた。それは今のアメリカでは最強の、ネット中立性に関する規定だ。
法案は今、上院で最終的な承認を待っている。票決が、今年の議会の締め切りである明日(米国時間8/31)までに行われなければ、成立の可否の決定は翌年に回される。
民主党上院議員Scott Wienerが書いたその法案は、2017年12月にFCCが葬り去ったオバマ時代のネット中立性規則を復活させるだけでなく、インターネットユーザーのための新しい保護も加えている。元の法案はインターネットサービスプロバイダー(ISP)による合法的コンテンツやアプリ、サービス、無害なデバイス等のブロックや帯域制限を禁じているだけでなく、人為的優先化とその有料化を禁止している。それは、お金を払えば自分のトラフィックを優先してくれる、というサービスだ。
そして、今回のカ州の法案で新たに加わったのは、ゼロレーティングの禁止だ。ゼロレーティングとはレート(料金単価)がゼロ(無料)という意味で、それによりISPが特定のWebサイトを、えこひいきすることだ。詳しくは、州議会の法案原文をお読みいただきたい。
議会の決定は、当然ながらComcastやAT&Tなどにとって打撃だ。彼らはネット中立性を終わらせるために、熱心にロビー活動をしていた。一方、ネット中立性を守りたい側は、今度の結果を喜んでいる。
デジタル人権のためのNPO Fight for the Futureの副部長Evan Greerは、声明の中でこう言っている: “インターネット上で自分が見るものやすることを、ケーブルや電話の会社がコントロールすることを、誰も望まない。カリフォルニア州は、AT&TやComcastのような企業が今以上にわれわれを搾取できないようにし、そのためのユーザー保護を復活するための、大きな一歩を踏み出した”。
“州下院のこの歴史的票決は、インターネットの力の証(あかし)である。大手ISPたちは、キャンペーンや寄付やロビー活動やソーシャルネットワーク上の怪しげな広告に巨費を投じているが、しかし結局それらは、ネット中立性を支持する者たちの情熱と献身に勝つことはできない。彼らはまさにインターネットを使って警鐘を鳴らし、人びとを動員している”。
昨年(2017)12月に、FCCは委員たちの票決で、オバマ時代の2015年にできた、インターネットをオープンで公正なものとして維持するためのネット中立性の規制を無きものにした。この機関の今のトップAjit Paiは、大統領Donald Trumpが任命した共和党党員だ。
カリフォルニアの州下院の議決の前日には、北部カリフォルニア出身の国会議員たちがFTCに、サンタクララ郡消防局に対するVerizonの帯域制限を調査するよう求めた。報道によると消防局は、大規模な山火事と戦っている最中に、毎月の25Gバイトの割り当てを超えて通話をしたり、個人的な用事でインターネットを使ったりしていたそうだ。
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