米国時間10月22日の控訴裁判所は、UberとLyftが彼らのドライバーを従業員に分類しなければならないと判決を下した。しかし、この判決は裁判所が送達を出した後、30日間延期されることになっている。つまりProposition 22の住民投票結果によっては、LyftやUberによるドライバーの分類の決定要因にならないこともある。
この訴訟全体を通じてUberとLyftは、ドライバーを従業員に分類すれば修復不能な被害が会社に生じると主張してきた。本日の判決では、裁判官はどちらの企業も「法律違反を禁止されていることによって重大なまたは回復不能な被害を被ることはない」と述べた。そして両社に生ずる財務的負担は「回復不能な被害のレベルと呼べるほどの大きさではない」とも述べた。
さらに裁判官によれば、仮差止命令はUberとLyftがドライバーに柔軟性と独立を与えることを妨げる要因ではないという。最後に裁判官は「今回の訴訟の契機となったAB5ギグワーカー法が決まったのは2年前の2018年であり、UberとLyftにはドライバーを独立した契約業者から従業員に移行させるに十分な時間があった」と述べている。
Lyftの広報担当者であるJulie Wood(ジュリー・ウッド)氏は本誌宛の声明で「この裁定によって、ドライバーの味方となりProp.22に賛成票を投じることが、ますます緊急になってきた」と述べている。
Prop 22は、ライドシェアのドライバーやデリバリーのワーカーを独立の契約労働者のままとどめるという、カリフォルニア州の住民投票で決まる条例案だ。これが成立すると、その企業のドライバーとデリバリーワーカーは、彼らをW-2級の従業員とする新しい州法の対象外となる。そうなると、アプリを使う旅客輸送やデリバリーのワーカーには、運転した時間に基づく最低賃金とヘルスケアの助成が給付される。
一方Lyftによると、同社はすべての法的選択肢を検討しており、その中にはカリフォルニアの最高裁への控訴も含まれるという。Uberもやはり控訴を検討している。
Uberの広報担当者は次のように述べている。「本日の判決が意味しているのは、Proposition 22が投票で否決されたら、ライドシェアのドライバーは独立の契約業者として働き続けることができなくなり、何十万ものカリフォルニアの住民が仕事を失い、州の大部分からライドシェアが姿を消す事態になるということだ。否決された場合の控訴も検討しているが、状況はむしろドライバーにとって分が悪い。彼らの72%がProp 22を支持している。カリフォルニアの経済はいまでも数百万人の失業者が存在し、今週だけでも新たに15万8000名が失業者支援を求めている」。
本日の判決の前には、カリフォルニア上位裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事が2020年8月に、UberとLyftがドライバーを従業員へと分類変えするよう強制するために、仮差し止めを認めた。UberとLyftはその判決を控訴したが、しかしいまでは控訴裁判所が下級裁判所の判決を維持している。
この訴訟(未訳記事)は2020年5月に、カリフォルニアの司法長官Xavier Becerra(ザビエル・ベセラ)氏と、ロサンゼルスとサンディエゴとサンフランシスコ各市の弁護士たちが提起した。彼らは、労働者を独立契約労働者と誤分類することによって、UberとLyftが不公平で違法な競争上の優位性を得ていると主張した。そして6月に原告は、UberとLyftにドライバーの分類変えを強いるための仮差し止めを申請した。8月にシュルマン判事がそれを認めた。
「本日の法的勝利は2社が対象だが、この戦いの範囲はもっと広い。これには、この国の労働の未来がかかっている。今後すべての世代が、真の福利厚生がある良質な雇用を確保できるかできないかがかかっている。もしUberとLyftがProp. 22の成立に成功し、人びとの意志を否定したら、他の数え切れないほど多くの企業もビジネスモデルを変えてワーカーを誤分類し、富める少数者が彼らの労働者の犠牲の上でさらに裕福になるだろう」とGig Workers Risingは声明で述べている。
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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Uber、Lyft、ギグワーカー、裁判
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)