Apple(アップル)がIntel(インテル)のモデム事業の買収を突然発表したときの理由の1つだったかどうかは不明だ。しかし今回インテルは、5月に行われた裁定に対する現在進行中のQualcomm(クアルコム)の控訴で、FTC(連邦取引委員会)を支持する法廷助言書を提出した。その裁定とは「CDMAとLTEの技術をめぐるクアルコムのライセンスに関する取り決めが健全な競争を阻害している」とするFTCの申し立てだ。
その助言書と、それを説明するインテルの執行副社長で法務部長であるSteven R. Rodgers(スティーブン・R・ロジャース)氏の最新のブログ記事によると「インテルはクアルコムの反競争的な振る舞いの打撃に苦しみ、モデム市場における競争を阻まれ、顧客への販売を妨害され、クアルコムによって人為的に歪まされた価格で売ることを余儀なくされた」という。そして助言書は具体的に自社をクアルコムによって市場から排除された競合他社のリストに含めている。
今年の早い時期にアップルとクアルコムは、ときにはパートナー同士でもあった両社が争っていた進行中の訴訟を取り下げることで合意した。その法廷抗争は、2017年にアップルがクアルコムの特許使用料が高すぎると訴えたときに始まった。合意には、アップルがクアルコムに1回限りの支払いを行うことと、6年間のライセンス協定の確立、およびクアルコムのチップセットをアップルの製品に使用するための供給の約束が含まれていた。
その同じ時期にインテルは、モデム事業から撤退すると発表した。そのときアップルは最新のiPhoneに、スマートフォン用モデムの業界最大手だったクアルコムの代わりにインテルのモデムを使うことを検討していたので、タイムリーな発表のようにみえた。そのあと7月にアップルは、インテルのスマートフォン用モデム事業の大半を買収すると発表し、アップルはクアルコムから距離を置くための長期的な戦略として、ワイヤレス通信用のチップを内製するのではないかという多くの憶測を招いた。
インテルは状況を公にしただけでは満足していない。そのブログ記事では「同社がこれまでモデム事業に数十億ドルを投資し、それをアップルに売ったのだ」とある。ここからよくわかるのは、総額10億ドル(約1090億円)と言われるアップルへの売却が、その費用を十分に回収していないとするインテルの不満だ。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)