クラウドゲーミングプラットフォーム「OOPartsが」が始動、月額定額でスマホで美少女ゲーム

ブラックは8月30日、ウェブブラウザー経由で往年のゲームを月額定額でプレイできるプラットフォーム「OOParts」(オーパーツ)のクローズドアルファ版を一部の法人向けにリリースした。今冬に正式サービス開始を目指しており、一般ユーザー向けのベータ版は本日から事前受付を開始、10月ごろに提供される見込みだ。

クローズドアルファ版に申し込むにはブラックのウェブサイト経由で連絡、ベータ版の事前登録に申し込むには「OOParts」(オーパーツ)の公式Twitterアカウント(@OOParts_JP)をフォローして、事前登録用のツイートをリツイートすればいい。正式ローンチの料金体系は現在のところ未定だが、月額数千円での遊び放題を採用するとのこと。

同社は今回の発表に合わせて、サイバーエージェント・キャピタルと個人投資家の古川健介氏、塚本大地氏を引受先とする、総額約5,000万円の第三者割当増資による資金調達も発表した。

ストリーミングゲームといえば、最近ではGoogle(グーグル)が開発中の「Stadia」(スタディア)を連想するが、OOPartsは、StadiaのようにFPSや3Dアクションゲームを対象とするのではなく、コマンド入力形式の過去の名作を中心にサービスを展開する。ストリーミングでネックとなるのは回線速度だが、回線の遅延がゲームバランスに影響を与えないタイトルが中心になるため、スマートフォンなどで楽しめるとしている。

アルファ版で提供されるゲームタイトルは、「MOON.」「キラ☆キラ」「超電激ストライカー」「1/7の魔法使い」「聖鍵遣いの命題《プロポジション》」の5タイトル。主にWindows専用に作られたアドベンチャーゲーム(美少女ゲーム)をスマートフォンを含めた、あらゆるデバイスで楽しめるようになる。プレイを開始すると、クラウド(データセンター)でゲームが起動し、インターネットを介して操作する。

ブラック代表の小川楓太氏は「今後は、ストーリー中心のアドベンチャー、ノベルゲーム、ビジュアルノベル、美少女ゲームを中心に展開したい」と話す。その理由として「インベーダーゲームなどは『懐かしさ』以外の動機で本気でプレイさせるのは難しいが、ストーリー性のあるタイトルはいつまでも古びないと確信している」と続ける。OOPartsでは、クリエイターの自由な表現を尊重し、App StoreやGoogle Playなどでは規制されていたゲームが楽しめる点も特徴だ。

OOPartsは、2019年04月に小川氏がクラウドゲーミングサービスのデモを個人として企画・開発したことがキッカケ。その動画をTwitterに投稿したところ、1万を超えるリツイート、28万を超える動画再生を獲得したほか、ゲームメーカーからも多くの好意的な反応があったことから、ブラックで事業を進めることになったという。

初回ローンチは美少女ゲームだが、ターン制のRPGやシュミレーションゲーム、アドベンチャーゲームなどラインアップが増えてくれば、当時の記憶を思い起こしながら新たな気持ちで往年のゲームを楽しめるだけでなく、若年層がさまざまな過去の名作を低価格でプレイできる環境整う。今後のラインアップ拡充が楽しみだ。

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TechCrunch Japan

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