Google(グーグル)は米国時間6月9日、米国東海岸とアルゼンチンのラス・トニナスを結び、さらにブラジルとウルグアイにも陸揚げされる新しい海底ケーブルの建設計画を発表した。これは南米のユーザーに、Googleのコンシューマー向けサービスやクラウドサービスへの低遅延アクセスを提供することを狙いとしている。
この地域で最も近いGoogleのデータセンター(南米では唯一のデータセンター)はチリのサンティアゴ付近にあり、GoogleのCurie(キュリー)ケーブルで米国西海岸と結ばれている。
ブラジルの奴隷制度廃止運動家で作家のMaria Firmina dos Reis(マリア・フィルミナ・ドス・レイス)氏にちなんで名づけられた「Firmina(フィルミナ)」ケーブルは、この地域におけるGoogleの既存のケーブル投資を強化するものだ。例えば、ウルグアイ政府所有のテレコムAntel UruguayとGoogleのジョイントベンチャーであるTannatケーブルはすでに同じ場所を結んでおり、Monet(モネ)ケーブルは米国とブラジル、そして同社のJunior(ジュニア)ケーブルもすでにブラジル各地を結んでいる。
この新しいケーブルは、Googleの既存ネットワークに容量だけでなく耐障害性も加える。具体的には、12組の光ファイバーペアで構成されるこの新しいケーブルで特筆すべき技術面の偉業は、シングルエンドの電源からケーブルに電力を供給できるというシステムだ。
Googleは次のように説明している。「海底ケーブルでは、データは光ファイバの中で光のパルスとして伝わります。その光信号を、100kmごとに各国の陸揚げ局で供給される高圧電流で増幅します。短いケーブルシステムの場合、シングルエンドからの給電の可用性は高くなりますが、最近の光ファイバーペアの数が多い長いケーブルでは、これが難しくなっていました」。それを実現するために、Firminaケーブルには、これまでのケーブルよりも20%高い電圧のケーブルが供給されている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:海底ケーブル、Google、電力、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)