グーグルが非熟練労働の求職を支援するKormoアプリをインドで立ち上げ、リモート面接も可能に

グーグルは米国時間8月19日、「求職アプリのKormo Jobsをインド向けに拡張し、非熟練労働者向けの仕事を探している数百万の人々を支援する」と発表した。これによって同社は、世界で2番目に大きなインターネット市場であるインドでの、マイクロソフト傘下のLinkedInの影響力を下げようとしている。

グーグルはKormo Jobsを2018年にバングラデシュで立ち上げた。昨年にはインドネシアへ拡張し、Google Play上で求職アプリ「Spot」として入手できるようにした。

同社によると、仕事がSpotで見つけられるようになってから、グルメサイトサービスを展開するZomatoやグーグルが投資しているバンガロール拠点の配達サービスのDunzoなど数多くの企業が、同プラットホーム上に200万以上の検査済み求人案件をポストした。

そしてグーグルによると本日、Google Play上のJobs SpotをインドでKormo Jobsに改名し、またそのスタンドアロンのアプリを重要な海外市場でも利用できるようにした。

Kormo Jobsでは、ユーザーが非熟練労働の人種、宗教などを問わないオープンコール(の求人を見つけられるだけでなく、新しいスキルを学んだり、容易に履歴書を作れたりする。

Kormo Jobsの地区マネージャーでオペレーション担当のBickey Russell(ビッキー・ラッセル)氏によると、このアプリには今後も投資を続け、新しい機能や求人を増やしていく。

ラッセル氏は、ブログに以下のように説明している。

パンデミックによって求人の様相も変わり、これまでとは違うスキルや経験を要する新しいサービスに需要がシフトしている。企業は規模を問わず、ニューノーマルのチャレンジに直面しており、求職者はこの変化に早く対応しなければならなくなっている。私たちは求職と求人を結びつけ、重要な機能を提供して、みなさまの生活の改善にお役に立てていることを、嬉しく思っている。たとえば今年の初めからはリモート面接を導入して、ソーシャルディスタンスをより確実にしている。

インドなどではグーグルの検索を利用した求人行為が少なくないので、同社はそんなニーズに専用アプリで応えようとしている。同社は米国で2017年に求職の便宜を充実させた検索エンジンを立ち上げ、その後対象地域を広げた。そして今月初めには、インドで仮想名刺機能を開始した。

グーグルが求人機能を充実させるのは、LinkedInに対抗するためだ。しかし後者は、新興市場に強くない。例えばインドでは、LinkedInのAndroid上の7月の月間アクティブユーザーは2400万人で、前年同期比では2200万人に増えている。これに対し、グーグルのインドのユーザーは約4億人だ。

しかしインドのような人口が膨大に多い国では、求職がやりやすいことが極めて重要だ。求職を助けるアプリは大歓迎である。しかもグローバルなパンデミックのおかげで、いまは失業率も記録的な高さになっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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