コーヒー焙煎機のサブスクBellwether Coffeeが42億円超を調達

より良いコーヒーの生産に向けて小売業界では軍拡競争が続いている、その中のスタートアップの1つ、Bellwether Coffee(ベルウェザーコーヒー)は、小売業者たちが最善の豆を売ることができるようにするソリューションを持っていると考えている。

バークレーに本社を置くこのビジネスは 米国時間9月4日、DBL Partners、ならびにSolarCityの共同創業者であるPeter Rive(ピーター・ライブ)氏とLyndon Rive(リンドン・ライブ)氏が主導する、4000万ドル(約42億円)のシリーズB資金調達を発表した。このラウンドによって、昨夏に行われた1000万ドルのシリーズAを含め、資金調達総額は5600万ドル(約59億8360万円)となった。

このハードウェアとソフトウェアの複合ビジネスは、ハイテクかつゼロエミッションのコーヒー焙煎機を製造している。この焙煎機は、カフェや食料品店、大学キャンパス、その他人がコーヒーを買う場所ならどこにでも設置できるようにデザインされている。7万5000ドル(約800万円)での買い切りか、月額1000ドル(約10万7000円)で焙煎機を手に入れると、コーヒー豆のオンライン市場にアクセスすることができる。目標は、各コーヒーショップに自身の豆を焙煎する力を与えることで、これまで焙煎済みの豆を高い価格で世界中のカフェに卸売してきた中間業者たちを排除することだ。

「エチオピアの農場からカフェや顧客の手元に置かれた焙煎機へと繋がれたコーヒー体験を作り上げたいと考えているのです」とTechCrunchに語るのは、BellwetherのCEOであるNathan Gilliland(ネイサン・ギリランド)氏だ。

およそ140社の顧客を抱えるBellwetherは、ベンチャーキャピタルの資金を投入して製造能力と顧客対応チームを拡大する予定だ。同スタートアップは、2019年に売上を6倍に伸ばして海外進出の野心もまた解き放った。来年には東南アジアと欧州での立ち上げを予定している。

ギリランド氏は、同社の成長を支えているのは、現在起こっている大きな動きだと言う。それは顧客がより高い品質のコーヒーを求める「コーヒーのプレミアム化」だ。

「ワインでそれが起きるのを見ましたし、クラフトビールでもそれが起きました」と彼は言う。「昔はバドライトを飲んでいたのに、今はクラフトビールを飲んでいるのです。ハイエンドの食料品店ではこうした製品の販売に力が入っていることがわかります。これがカテゴリのプレミアム化です」。

「30年前には、誰もがフォルジャーズ(Folgers、コーヒー豆業者)のコーヒーを飲んでいましたが、80年代にはスターバックス(Starbucks)がコーヒーの概念を変えました。そしてブルーボトル(Blue Bottle)が次の一歩を踏み出したというのが今の状況です」と彼は付け加えた。

Bellwetherは2013年にリカルド・ロペス(Ricardo Lopez)氏によって創業された。同社はまた、FusionX、Congruent Ventures、Coffee Bell、Tandem Capital、Spindrift Equities、XN Ventures、Balius Partners、そしてHardware Clubによって支援されている。

[原文へ]

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。