つまるところ、駐車スペースのような公共設備を、あたかも自分の所有物かのようにレンタルすることは許されなかった。パーキングアプリのMonkey Parkingは、今日(米国時間6/23)サンフランシスコ市検察局から排除勧告を受け、また同アプリが現地法に違反しているとしてAppleもApp Storeから削除するよう依頼された。他のアプリ2種、SweetchおよびParkModoも、排除勧告を示唆する警告を受けた。
この決定は、ドライバーが駐車スペースを探して周回するのを防ぐことで収益を得るアプリを禁止する、先例になるかもしれない。Uber等の乗り合いサービスが、市条例との戦いに勝利する一方て、これらの駐車アプリは困難な時を迎えている。本来無料あるいはメーターで料金徴収されている場所を有料で貸すことは、露骨な違法行為だ。
それぞれのアプリは、駐車スペースの販売に異なるアプローチを取っている。Monkey Parkingは、ユーザーに駐車場所を入札させる。Sweetchは、駐車場所をもらい受けるドライバーから5ドルを徴収するが、後で別のSweetchユーザーに明け渡すと4ドル返金される。近々スタート予定だったParkModoは、ドライバーを雇って駐車場所を確保し、それをParkModoの有料メンバーに売る。
そしていずれもが、公共リソースの搾取に見える。エネルギー節約に名を借りて、自分たちが所有していないものを売ることによって、自らおよびユーザーの私腹を肥そうとしている。たしかに、混雑する地域で効率よく駐車スペースを見つける方法があればそれは素晴らしいし、いずれモバイルアプリが役立つ日も来るかもしれない。しかし、公共インフラに値段を付けるやり方は、いかがわしい。
これらのアプリは、公共駐車場所を「賃貸するいかなる契約」も結んではならないとする、ポリスコード63項(c)に違反する。違反に対しては1取引毎に罰金300ドルを科され、運転者が責任を負う。当該スタートアップらは、違法ビジネスモデルのみに拠って立つ企業に適用されるカリフォルニア不正競争法によって、1取引当たり最大2500ドルの罰金を科される可能性がある。
市検事のDennis Herreraがこう書いている:
「これは違法であり、運転者を罰金300ドルを科される立場に置き、公共駐車スペースの搾取的民間市場を作ることを、サンフランシスコ市民は許さない。さらに悪いことに、これはドライバーがモバイル端末を危険な方法で使うことを誘発する ― 運転中にオンライン入札戦争に参加する。自らが所有するガレージや通路を賃貸することは構わない。しかし、公共駐車スペースを質に取って私腹を肥やすビジネスを受け入れることはできない」
Herreraは、Apple法務部門にもレターの写しを送り、違法および危険であることを理由に駐車アプリを削除するよう依頼した。
法廷で戦う財力のある者がいない限り、サンフランシスコの混雑地域、ミッションおよびマリーナにおける駐車は、今後もイライラが続くことなるだろう。しかし、少なくともこれで平等な先着順モデルが続くことになり、裕福なスマートフォンユーザーが他の市民を追い出すことはなくなる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)