シャトルバスのシェアリング・プラットフォーム「GoOpti」が約4900万ドルを調達

goopti

GoOptiが提供するサービスは「シャトルバス版のUber(またはUberPool)」とでも呼べるだろうか。このサービスでは、ヨーロッパの郊外に住む人とシャトルバスをつなぎ、空港に近い都市部への交通手段を提供している。その際、規模の経済を利用してユーザーが必要なときにシャトルバスを用意できるようにしている。

「私たちのプラットフォームを利用すれば、需要サイドと供給サイドが抱える問題をそれぞれ解決することができます」と語るのは、GoOptiの共同創業者兼CEOのMarko Gučekだ。「需要サイドが抱える問題とは、郊外に住む人々は空港にアクセスすることが難しく、たとえローカルの空港があったとしても、直行便の数が少ないせいで航空券の値段が高くなりがちだということです」。

この問題への解決策とはもちろん、大きな空港のある都市まで移動することだろう。だが、そこまで行くのにも1時間から3時間程の時間がかかってしまう。大半の人は車で移動しようとするだろうが、それでは「高いガソリン代や高速道路の通行料、空港での駐車料金を払わなければならず、それに長いフライトの後の運転は危険」だという。空港まで友達に送ってもらうこともできるが、そうすると合計2回往復することになるので、2倍のコストがかかってしまう。

その代わりに、GoOptiでは空港に向かうユーザーをまとめ、その時に利用可能なシャトルバスを利用するように促している。価格は利用時によってバラバラだ。同システムには需要を予測するアルゴリズムが組み込まれている。こうすることで、GoOptiはユーザーに安価で環境に優しい交通手段を提供しているのだ。また、このビジネスは環境が悪化するシャトルバスの運営会社側にもメリットがある。

「出張者やグループ旅行者向けに、ミニバスやバンで空港まで送迎するサービスがあります。しかし、業界の変化によって、そのようなビジネスが減ってしまったり、逆に競争が激しくなっているといった問題があります」とGučekは説明する。

それに加えて、多くのシャトルバス運営会社ではマネージャが同時にドライバーでもあるという問題がある。それでは長時間の労働は避けられないし、24時間体制で顧客の対応をするのは不可能だ。しかも、収入が得られる保障はない。

「彼らが私たちの革新的なビジネスモデルに参加することで、私たちの顧客にリーチすることができるだけでなく、快適なマネジメントツールや統合されたサポートセンターを活用することもできます。熱心なビジネスオーナーであれば収入も保障されます。簡単に言えば、両サイドの人々をつなぎ合わせることで彼らが持つストレスを解消し、両者を満足させることができるのです」。

このミッションを達成するため、同社は新しく4400万ユーロ(約4900万ドル)の資金調達を完了したと発表した。そのうちの1500万ユーロはEUからの助成金であり、残りの金額はシリーズAでEBRD、Point Nine、RTAから調達した資金だ。

現在、同社のサービスはスロベニア、クロアチア、イタリア、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、スロバキアで利用可能だ。同社は今回調達した資金によって利用可能地域の拡大を目指すと話している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。