Googleがイスラエルのクラウドソース・カーナビのWazeを11億ドルで買収したことが記憶に新しいが、今日(米国時間7/16)、ジェスチャーを利用したインタフェースを開発しているイスラエルのスタートアップ、Omek InteractiveをIntelが買収したという情報をわれわれは独自の情報源によって確認することができた。Omekに対してIntelは以前から投資していた。
また、イスラエルのCalcalistの記事によれば、MicrosoftのKinectに利用されているジェスチャー・テクノロジーを開発したPrimeSenseの買収をAppleが試みているという。
こうした動きを合わせて考えると、Kinect的なジェスチャー・インタフェースの利用が今後大いに進みそうだ。
ただしApple/PrimeSenseの噂はいささか根拠が薄弱で、「まったくのでたらめだ」と否定する関係者もいる。PrimeSenseはこれまでにGeminiIsrael Funds、Canaan Partners、Genesis Partners、Silver Lake Partnersなどから3000万ドル近い資金を調達している。
一方、われわれはOmekを電話で取材したが、その相手はくすくす笑って(本当だ)、「話はIntelに聞いてもらいたい」と言った。
アップデート: Intelは私の取材に対してOmekの買収を確認した。同時に、「報じられている買収価格をIntelとして確認したことはない。またこのテクノロジーを利用した製品計画について現在コメントはできない」と付け加えた。
Omekの買収価格については3000万ドルから5000万ドルと観測されている。Omekはこれまでに1380万ドルの資金を調達しており、うち700万ドルはIntelCapitalからの投資だ。Intelがなぜ戦略的投資の枠を超えて買収に踏み切ったのか、いくつかの説明が出ている。
その一つはVentureBeatの記事で、これによると、両者は今年3月に交渉を始めた。当初、Omekは新たな資金調達をもくろんでいたが、結局エグジットの道を選んだという。
もうひとつの観点は、Intelは3Dヴィジュジュアル化とパーセプチュアル・コンピューティングの実現という野心的な戦略の重要な要素としてジェスチャー・テクノロジーを必要としていたからだというものだ。パーセプチュアル・コンピューティングというのは音声、タッチ、ジェスチャーなどAI解析を必要とする感覚的インタフェース全般を指すIntelの用語だ。この4月にスタートしたIntelの1億ドルの投資ファンドの対象もまさにこの分野だ。
第3の説明はもっと散文的なものだが、それだけに真実をうがっているかもしれない。GeekTimeによれば、この買収はハードウェアのセールスをテコ入れするためだという。IntelはOmekのテクノロジーをチップに焼きこみ、製品の差別化に役立てるつもりだろうという。
PrimeSenseのニュースの真偽はさておき、9to5Macはジェスチャー・テクノロジーを含む知的所有権が、Apple TVのようなユーザーのリビングルームで使われるプロダクト分野をも制覇したいというAppleの野心にとってきわめて重要であるという説得力ある分析をしている。
いずれの説によるにせよ、ジェスチャー・テクノロジーの重要性が増していることは疑いない。近い将来、われわれは手の動きや指のサインでコンピュータを操る時代に入りそうだ。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)