ジャック・ドーシーはSquare社内のすべてのミーティング記録、取締役会資料を全社員に公開

今日(米国時間111/5)、TwitterとSquareの共同創業者ジャック・ドーシーはGigaOm Roadmapカンファレンスに登壇したが、上場手続きの制限によりTwitterについて語ることはできず(*、 もっぱらSquareについて話した。

ドーシーは「Squareは単なる支払いサービスであるだけでなくアナリティクス・サービスでもある」と強調した。Squareのユーザー店舗は「先週売れたビスコッティの数」などの検索を自由にできる。それに対してまったくデータ利用ができない古臭いPOSシステムが多いのだという。

ドーシーはデータに関してアナリティクスと透明性を重視するのはSquareの企業文化でもあると強調した。スタートアップにはさまざまな企業文化があるが、Squareの企業文化はファウンダーの強い意図によって培養されたものだろう。

ドーシーはポール・グレアムのMaker’s Schedule, Manager’s Scheduleという社内会議の非効率に関するエッセイを引用し、マネージャーは会議を設定するのに気を取られるあまり、現実の仕事を忘れてしまうと指摘した。この点は多くの大企業で、いやAol傘下に入ったTechCrunchでさえもしばしば体験することだ。ドーシーは「こういう状態に陥ると社員は現実の仕事以外のことばかり考えるようになる」と述べた。ドーシーのSquare運営はこれと全く違う。

ドーシーは「秘密の会議」を追放するためにまず物理的にSquareのオフィスを風通しよくした。ほとんどがオープンスペースで、会議室はほんのわずかしかない。同時に、社員3人以上の会合では必ずメモを取り、600人の全社員に公開することが義務付けられている。さらにSquareの毎月の取締役会で使われたパワーポイント資料も社内に公開されている。驚いたことに、Squareの取締役会資料がTechCrunchにリークされたことはまだない。

「状況に素早く対応して行動できることによってわれわれが得た利益は計り知れない」とドーシーは言う。レガシー企業文化ではオーバー・マネジメントが飽くことなく繰り返され、企業官僚制があらゆる変化を妨害している。“ドーシーによれば「Squareで何かを秘密にしておくのは事実上不可能だ」という。Twitterに関する情報だけは秘密にされているようだが。

*) GigaOmのファウンダー、Om Malikとドーシーは事実、壇上でTwitterを話題にしなかったが 、Squareのコミュニケーション責任者、AaronZamost が私に話たところでは、Malikに話題にしないよう頼んだのは「セントルイス・カージナルスがワールドシリーズで負けたこと」だけだったそうだ。〔ドーシーはセントルイス出身〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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