SpaceX(スペースX)のDragon(ドラゴン)カプセルが、再び国際宇宙ステーション(ISS)に向かっている。
同社は米国時間6月3日に、NASAから委託された22回目となる商用補給サービス(CRS)ミッションを打ち上げた。これはSpaceXが過去12カ月間にISSへ送ったカプセルとしては5回目になると、同社のDragonミッション管理担当ディレクターを務めるSarah Walker(サラ・ウォーカー)氏は、メディア向け会見で述べた。また、(再利用ではなく)新しいFalcon 9(ファルコン9)ロケットブースターを使った2021年最初の打ち上げでもある。
ロケットは米国東部時間午後1時29分にフロリダ州のケープ・カナベラルを、南と東から嵐の雲が迫っていたものの、予定どおりに離陸。第1段機体は計画どおりに分離し、打ち上げから8分後に大西洋に浮かぶ「Of Course I Still Love You(もちろん、今でも君を愛している)」と名づけられた無人船にタッチダウンした。カプセルを軌道に投入させる第2段は、打ち上げから12分後に分離、こちらも予定どおりだった。
今回のFalcon 9ロケットよる補給ミッションでは、新型太陽発電パネルを含む3.3トン以上の研究材料、物資、ハードウェアをISSのクルーに送り届ける。これは、SpaceXがNASAと結んだ新たな商業軌道輸送サービス(CRS)契約に基づく2回目のミッションで、1回目は2020年12月に行われた。
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Dragonカプセルには、Colgate(コルゲート)の歯磨き粉を使って細菌の繁殖を調べる口腔内細菌、宇宙環境での生息と繁殖を試みる原始的な生物であるクマムシ(愛称、ウォーターベア)、宇宙飛行中に多くのクルーが罹患する腎臓結石の形成に対する微小重力の影響を調べる調査など、ISSで実施される多くの研究実験材料が積まれている。
また、りんご、ネーブルオレンジ、レモン、アボカドなどの生鮮食料品も運んでいる。
3328kgの積荷のうち、1380kgは宇宙インフラ企業のRedwire(レッドワイヤー)が開発した新しいロールアウト式の「flexible blanket(フレックスブランケット)」太陽電池パネルが占めている。「従来のリジッドパネル式太陽電池パネルと比べ、フレックスブランケット技術は質量や性能の面において利点があります」と、Redwireの技術ディレクターを務めるMatt LaPointe(マット・ラポイント)氏は、TechCrunchに語った。
この太陽電池パネルは、Dragonの非加圧トランクに収納されている。iROSA(ISS Rool-Out Solar Arrays、国際宇宙ステーション・ロールアウト式太陽発電パネル)をISSに送るミッションは3回予定されており、今回はその1回目だ。ラポイント氏によれば、各ミッションでは2セットずつ運ばれることになっているという。全部で6セットのiROSAが設置されれば、合計120KWを超える電力を生み出すことができる。2021年3月に特別目的買収会社との合併による上場を発表したRedwireは、新しいiROSAによって、ISSの発電量は20~30%向上すると述べている。
Dragonカプセルは6月5日の午前5時頃に宇宙ステーションに到着し、ISSのHarmony(ハーモニー)モジュールのポートに自律的にドッキングする予定だ。その後、1カ月以上を宇宙ステーションで過ごし、調査・帰還用の貨物を積んで地球に帰還、大西洋に着水することになっている。
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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX、Cargo Dragon、NASA、ISS、Falcon 9
画像クレジット:SpaceX
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)