スマートスピーカーメーカーのSonosは、一部製品のサポートを2020年5月以降打ち切ると発表した。打ち切るのは、Sonosが数年前に販売を終了したデバイス。永遠に続くものはないとはいえ、サポート打ち切りは影響が大きく、またもコネクテッドホームには期待したほどの将来性はないと示してしまうことになるだろう。
Sonosは、これまでに販売された製品の92%は現在も使われていると指摘する。生産終了になった古いデバイスでも満足して使い続けている人がいるということだ。
「しかし今、旧型製品の一部のメモリや処理能力は技術的な限界に達し」とSonosは書いている。
Zone Player、Connect、第1世代のPlay:5、CR200、Bridge、2015年以前のConnect:Ampに関しては、Sonosのエクスペリエンスは基本的に全体にわたって今後低下する。
同社はこれらのデバイスのアップデートを今後停止する予定だ。SpotifyやApple MusicのAPIが今後変更されたら、前述のデバイスはこれらのサービスとの連携が完全にできなくなってしまうかもしれない。
それでもSonosは、同社のデバイスのエコシステム「全体」がアップデートの受信を停止し、すべてのデバイスのファームウェアを同じバージョンにすることを決定した。つまり、もし新しいSonos Oneを買ったばかりでも、古いPlay:5を使い続けていれば、Sonos Oneもアップデートを受信しない。
Sonosは、古いデバイスを買い替える場合の割引があると説明している。しかしそうは言っても費用はかかる。同社はシームレスな音楽エクスペリエンスの提供を約束しているが、それにはスピーカーを全部新しくしなくてはならないとは皮肉でもある。
Sonosはこれを機に製品ラインナップを再考すべきだ。生産やサポートの終了による計画的陳腐化は、確かにビジネスモデルとしては優れている。しかしスピーカーを10年、20年、あるいは30年使い続ける方法を考える時期にきている。
1980年代に人々は素晴らしいスピーカーを購入し、何十年も使い続けた。もちろん、途中でCDプレイヤーを買い足す必要はあっただろう。しかしモジュール化は優れた特徴だ。
Sonosはデバイスにコンピューティングカードのスロットを追加すべきだ。SoC、Wi-Fi、Bluetoothの速度や効率の向上のために、ユーザーはスピーカーを丸ごと買い替えるのではなく新しいコンピューティングカードに交換できるはずだ。
Sonosはソフトウェア的にリサイクルモードにすると古いデバイスが完全に使えなくなるという疑問に思わざるを得ない状況にあるが、カードを交換できるようにすれば環境に優しいプロセスとなるだろう。
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(翻訳:Kaori Koyama)