スマートフォンはますます面白くなろうとしているが、成長を維持できるほど十分に面白いだろうか?

売上が停滞する中、折り畳み可能携帯と5Gは救世主となれるのか?

スマートフォンの売上は落ちている 。2018年には、世界の出荷台数は3%減少した。長く待たれてきた5Gの到来によって、その数字が再びに上向きになることも期待できるものの、IDCの予想によれば、仮にそうだとしても成長は1桁台の低いものに留まりそうだ。

わずかな例外を除いて、各携帯電話メーカーは様々な影響によって、停滞の痛みを感じ始めている。中国では経済成長が鈍化しており、国際的には、買い替え需要サイクルの長期化や、高価格化が進み、迫り来る貿易戦争による関税も課される。

しかし多くの消費者たちにとっては、結局気になることはシンプルな1つの点だけなのだ。それは買い替えに値するほど十分に魅力的なものなのか。現在のほとんどの携帯電話は、既に十分に優れたものであるために、製造業者たちはそれらを、毎年あるいは2年に一回買い替えさせるための、説得力のある理由の捻出に苦しんでいる。だが前述の多くの外部要因とは異なり、この問題は電話メーカー自身が実際に何かを行うことができる部分だ。

もちろん、今年こそがその変化の年なのかもしれない。長年のマイナーアップグレードや、古びたコンセプトデザイン、そして収益の減少によって追い詰められて、携帯電話メーカーたちは強気の攻めに出ている。2019年になって1ヶ月も経たないうちに、今年はスマートフォンにとって近年稀に見る革新の年になりそうな勢いだ。

Samsung、Huawei、Xiaomi、そしてRoyoleは、みな折り畳み式の携帯電話に取り組んでおり、おそらくMotorolaもその一群に、新しいRazrで加わろうとしている。一方Googleは、Androidへのアップデートを行うことで、新しい流行である折り畳み式に対応することを約束している。そして5G携帯電話も、今年から少しずつ始まる予定だ。

そして今週は、MeizuVivoが、それぞれ業界の動向(ワイヤレス充電、Bluetoothヘッドフォンなど)に沿う形で、ポートを全く持っていないハンドセットを発表した。そして、それが何かはまだわからないが、このLGの新製品がある

全てが素晴らしいとも、そしてヒットが保証されているとも限らないが、Mobile World Congressを1ヶ月後に控えて、2019年は既に、興味深いデバイスやコンセプトの年だと言っても過言ではなさそうだ。売り上げが伸び悩んでいるため、各企業は目立つように奮闘を続けている ―― HTCでさえもExodus Oneを使ってブロックチェーン携帯に取り組んでいる。

これら全てが、私の仕事をより面白くしてくれる筈だ。しかし、こうした斬新なコンセプトが、本当に成長を助けてくれるのだろうか?折り畳み型は既に混沌とした様相を示している。たとえば長年期待されてきた折り畳み型スクリーンを、最初に現実のものにした会社として注目をあびるために、方針転換をしたRoyoleについてみてみよう。作られた製品は最終的に、ある種望まれていたものにはなった。しかしながら、 Xiaomiが垣間見せた三連折り畳み式のようなデバイスが、この世界の可能性に対するさらなる期待を高めてくれた。

一方5Gは、それ自身の長引いた誇大宣伝サイクルで苦労することになりそうだ。業界に注意を向けている人なら、その最終的な可能性について、何年もの間聞かされている。主流メディアは、その間の話題を、CESでの展示や、携帯電話メーカーやキャリアなどからの口約束でつないできた。

しかし、キャリアはすでに5Gの定義に多くの暗雲を投げかけてきた。例えばAT&Tの5G Evolutionを見てみると良いだろう。キャリアはそれを「5Gへの道への第一歩」と呼んでいるが、実のところそれは高性能化したLTEなのだ。それはキャリア間の分断をもたらし、既に曖昧になっている技術のための水をさらに濁ったものにしてしまう。年末までには多くの5Gデバイスが市場に出回ることになるだろう。しかし使っているキャリアによって自分の街がカバーされるかどうかは全く別の問題だ。

価格も大きな要因になるだろう。これまでOnePlusのような企業が、安価な携帯電話がどれだけ素晴らしいものかを示してきたが、一方高級機の価格は上がり続けている。SamsungとAppleのモデルは現在、1000ドル前後から価格が始まるのが普通になっている。そして折り畳み型の平均価格は1500ドルを超えるものになると思われる。そのような価格では、お金を惜しみなくつぎ込めるアーリーアダプター以外の人たちを引き寄せるのは難しくなってしまう。本当の主流への採用のためには、より低い価格と、製品を純然たる目新しさ以上に真に使いやすい機能セットが備わっていることが大切だ。

モバイル業界は岐路に立っている。それは成熟し、一部の市場では飽和している。この世界はまだ活力を失わないのか、それとも家電製品の次のヒット作を待ちながら停滞が続くのか。2019年はこの先のスマートフォンの運命を決定する重要な年になるだろう。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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