スマートマシン: 知能と学習能力を持った第二次OAの波が大量の専門職を不要にする

スマートマシンが企業にもやってくる。でも、CEOたちには黙っていよう。Gartnerの調査によると、CEOたちの60%は、スマートマシンの普及によって15年後には数百万人の中間層の仕事が奪われる、という説は未来学者の幻想だ、と言っている。

この調査結果は、仕事の自動化とスマートマシンの出現がもたらす不安を反映しており、Gartnerによると、スマートマシンは2020年ごろには広く普及し、企業に大きなインパクトを及ぼすという。

CEOたちは、スマートマシンの到来が必然的であることを、見て見ぬふりしたいようだ。彼らのその見方は、自分で学習するインテリジェントエージェントやロボットが大量の仕事をするであろう未来に対する、ふつうの人の反応と同じだ。しかし幻想はむしろ彼らの方であり、現実には、人間は毎日の生活の中で実際にスマートマシンに適応していく。そのことには、疑問の余地がない。むしろ、そういうスマートマシンがなければ、労働者はほとんど仕事ができなくなる。クラウドサービスは、マシンが人間を置換しつつあることの、初期的な証拠だ。データセンターを持続的に稼働させるためには、マシンがさまざまなタイプのワークロードに(自動的に)対応できるようにプログラミングしておく必要がある。

Gartnerの報告書は、CEOたちはスマートマシンが何百万もの中産階級の仕事を次の数十年間で奪っていくという、事態の緊急性を認識していなくて鈍い、と言っている。Gartnerの調査部長Kenneth Brantは、仕事の破壊のスピードは新しい仕事が作られるスピードよりも速い、と書いている。

それがこれまでのオフィスオートメーション(OA)などと違うのは、システムが学習能力を持ち、専門的な仕事でもこなせることだ。Gartnerは、今後真っ先に人間の仕事でなくなるのが、これら専門的な仕事や作業だと見ている。とりわけIT部門では、優秀な専門技術者の経験と勘と手作業に頼っていたような部分が、今後は不必要になる。

対照的にこれから繁盛するのは、インテリジェントエージェント、仮想ヘルパー、エキスパートシステム、高度な機械学習を利用した各種サービスなどだ。Amazon、Google、GE、IBMなどが、競争に落後しないために人間ワーカーよりも多くのデジタルワーカーを求める企業に、これらを売り込むディーラーとして、しのぎを削る。

仕事を失った中間層が次はどこに新たな仕事を見つけ、あるいは作り出していくのか、その形はまだはっきりしない。いずれにしても、AppleのSiri、GoogleのHummingbirdアルゴリズム、IBMの高度に進化した自然言語処理などが指し示しているのは、今のCEOたちの多くが幻想と呼ぶものが、数年後には当たり前になっているような状況だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))