長年の間、任天堂を見てきた人であれば、この企業が自社のIP(知的財産)を非常に大切にする傾向があることを知っている。結局のところ、市場にやたらと安価なマリオグッズが氾濫することがなかったのは、幸いだったと言えるだろう。
しかし、この数年の間に、任天堂はそんな方針をわずかに緩め、これまで敬遠してきたブランドとのパートナーシップを積極的に取り入れるようになってきた。モバイルゲームやテーマパークなどが登場するようになったのはそのためだ。
そして欧州時間7月13日、最近の記憶の中でも最も驚くべきブランドパートナーシップの1つが発表された。その相手は、スイスの高級時計メーカーとして知られるタグ・ホイヤー(TAG Heuer)。両社の「長期的なコラボレーション」は、世界限定2000本のみが販売されるマリオのスマートウォッチで始まる。日本での価格は25万3000円(消費税込)となっている。
ベースとなったスマートウォッチ「TAG Heuer Connected(タグ・ホイヤー コネクテッド)」の価格設定と、任天堂が提供する「Nintendo Switch」のような製品の手頃な価格との間には、明らかな断絶がある。実際、マリオ・バージョンのスマートウォッチ1本分、それはApple Watch Series 6(アップルウォッチ・シリーズ6)を5本分に相当するわけだが、その金額で新しい上位機種「Nintendo Switch(有機ELモデル)」を6台も購入することができるのだ。
とはいえ、これがとてもすてきな腕時計であることは確かだ。その希少性や価格を考えると、あなたの周囲でこの腕時計を持っている人はあなただけになる可能性も高い(スマートウォッチが、高価なアナログ腕時計とは異なり、永遠に使えるものではないということは、とりあえず忘れよう)。その最大の魅力は、目標として定めた歩数などの運動量の達成度に応じて、小さなマリオのアニメーションが1日中表示されることだ。これは楽しいし、子ども向けのフィットネスウォッチにもぴったりだ(価格が数分の一であれば)。
基本的にこの時計は、2020年4月に発売されたWear OS搭載デバイスであるタグ・ホイヤー コネクテッド第3世代モデル(日本での価格は21万4500円から)のデザインを変更したものである。この最新型スマートウォッチは、タグ・ホイヤーの期待したとおり、デザイン性が高い評価を受けている。マリオバージョンでは、リューズに彫り込まれたマリオの頭文字「M」をはじめ、全体に赤のアクセントが施され、これとマッチした赤いラバーストラップが組み合わされる(黒のレザーストラップも付属)。
直径45mmのケースに430mAhのバッテリーを搭載し、持続時間は使用状況によって6時間から20時間と幅があるが、これはGPSと心拍数モニターを搭載しているためだ。
この「TAG Heuer Connected x Super Mario Limited Edition(タグ・ホイヤー コネクテッド x スーパーマリオ リミテッドエディション)」は、日本では2021年7月15日より、タグ・ホイヤー 銀座ブティック、エスパス タグ・ホイヤー 銀座、表参道、ラゾーナ川崎プラザ、心斎橋、公式オンラインブティックで販売される。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:任天堂、TAG Heuer、スマートウォッチ、スーパーマリオ
画像クレジット:TAG Heuer/Nintendo
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)