低消費電力広域通信規格LoRaWAN(ローラワン)を利用したIoTプラットフォームを提供するセンスウェイは5月31日、熱中症対策ソリューションの提供を開始すると発表した。
このシステムは、同社のLoRaWAN技術と、熱中症予防の指標となる暑さ指数「WBGT」(ISO 7243およびJIS Z 8504。湿球黒球温度。Wet Bulb Globe Temperature)を計測するフジクラ製「黒球付きセンサーノード」とを組み合わせたもの。センサーノード、ネットワークサービス、クラウドを活用して、WBGTの計測と可視化を行い、必要な場合に警告を発するシステムを「ワンストップで提供」するという。
このソリューションは、センサーノードから送られてきたデータをクラウド上でグラフ化し、WBGTが閾値を超えた場合に、携帯端末などへ音声やメールでアラートを発信するアプリケーションを提供するというもの。表示画面やWBGTの閾値はカスタマイズが可能。
同社は、このシステムの特徴を次のように説明している。
- 輻射熱を測定する黒球温度センサと一体化しているため、設置時の煩雑さが低減される
- JIS B 7922クラス2準拠のWBGT測定を実現。使用現場の環境を反映したWBGTデータが取得可能
- 計測データ送信のネットワークにはLoRaWANを採用しており、低消費電力でデータ伝送が可能
- センサノードに搭載されている色素増感太陽光電池(DSSC)によってデータの計測から送受信まで自立稼働するため、設置時の電源工事が不要。電池交換などのメンテナンスを最小限に抑えることが可能
- LoRaWANのネットワークは広範囲の無線通信を可能にするため、上記の電源工事不要に加えて通信配線工事も不要。低価格でレンタル可能なゲートウェイを1台設置するだけで広大なセンサーネットワークを形成でき、簡単かつ低コストでの導入が可能
すでにセンスウェイでは、ファーストユーザーである鹿島道路との共同プロジェクトの一環として、現場のニーズに合わせたシステム開発を進めている。また鹿島道路に使ってもらうことで実証実験を行いつつ、バイタルセンサーと組み合わせた現場作業員の体調管理といった応用も検討してゆくという。
今後は、建設現場や工場施設内向けソリューションとしての展開を目指す。
関連記事
・午睡見守りシステムの「ベビモニ」と保育ICT「コドモン」が連携し保育士に心のゆとりを提供
・在宅・被災地などの医療現場でリアルタイム検査が可能な免疫センサー機器を開発するイムノセンスが1.3億円調達
・牛の個体管理や橋梁センサーにも―、ソラコムが低消費電力IoTに新技術を採用