セールスフォースとアップルの提携による新ツールが登場

昨年開催されたSalesforce(セールスフォース)の年次顧客カンファレンスDreamforceで、Apple(アップル)とセールスフォース提携開始を発表した。この提携では、アップルデバイス上でのセールスフォースプロダクトの作動を向上させるために両社が共同開発を進める。そして今年のDreamforceが始まった11月18日、提携の結果として2つの新たなツールが使えるようになったと発表した。これらのツールは昨年の会議で発表されていたものだ。

まず最初に、アップルはセールスフォースのモバイルアプリの再デザインにセールスフォースとともに取り組んだ。素早く操作できるようSiriショートカットを使えるようにするなど、iOSの機能を盛り込むというものだ。モバイルデバイスでは面倒と感じがちなタイピングの代わりに音声で操作できるようになる。

写真:Salesforce

例えば「ヘイシリ、次の商談」と言うとSiriがセールスフォースのCRMと連動し、商談出席者の名前や企業名、最後に商談出席者に会ったのがいつだったか、Einstein opportunity score(Salesforceの商談有望性を数値化したもの)がどんなものかを教え、本日の商談がどれくらいうまくいきそうかを予測する。

加えてモバイルアプリでは、変更を即座にデバイス間で反映させるためにアップルのハンドオフ機能を利用し、Face IDでアプリに簡単にログオンできる。

セールスフォースはまた、SalesforceモバイルでのEinstein Voiceのテスト展開も発表した。この機能では、セールスパーソンが音声でノートを開いたり、タスクを追加したり、CRMデータベースをアップデートしたりできる。Einsteinはセールスフォースの人工知能レイヤーで、音声機能はセールスパーソンが尋ねたことを理解するために自然言語を活用している。

同社によると、アップデートされたアプリのテストに1000社以上が参加していて、同社史上最大規模になっているとのことだ。

加えて、新しいモバイル開発プラットフォームSDKも発表した。これはSwift言語を使ったiOSとiPadOSのために作られている。セールスフォースのデベロッパーがiPadとiPhone向けのアプリを構築できるようにするツールを提供し、Swift UI、そしてPackage Managerと呼ばれる新しいツールをひとまとめにするというのが狙いだ。

写真:Salesforce

Trailhead Goというのは、セールスフォースのiPadとiPhone向けにデザインされたオンライン学習プラットフォームのモバイル版だ。新しいMobile SDKを使って作られていて、これによりユーザーがウェブでアクセスしている同じコースにモバイルコンテキストでもアクセスできるようになる。新しいモバイルツールには、必要に応じてピクチャー・イン・ピクチャーとマルチタスクのための画面分割のサポートでデバイス間でやり取りできる機能も含まれる。

Salesforce MobileとTrailhead GoはiOSのApp Storeで本日から無料で利用できる。そしてSalesforce Mobile SDKは今年中に利用できるようになる見込みだ。

両社の提携が発展するにつれ、両社はその恩恵を受ける。セールスフォースはアップルの機能に直接アクセスできるようになり、最適な方法でそうした機能を埋め込めるようアップルと協業できる。一方のアップルは、世界最大の企業向けソフトウェアベンダーの1社であるセールスフォースを通じて企業に深くアクセスできるようになる。

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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