セールスフォースの新しい社長兼COOはカリスマエンジニアのブレット・テイラー

Salesforce(セールスフォース)は米国時間12月12日、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏を同社の社長兼COOに任命したことを発表した。今回の昇進に先立ち、テイラー氏はすでに社長兼最高製品責任者(CPO)を務めていた。

画像クレジット: Salesforce

新しい役職で同氏は、セールスフォースのグローバルな製品ビジョン、エンジニアリング、セキュリティ、マーケティング、コミュニケーションのリードなどの、多くの責任を負うことになる。これは重責である。そのため、彼はMarc Benioff(マーク・ベニオフ)会長に対して直接報告する立場になる。

テイラー氏は、ここ数年にわたってその責任を増やしており、同社が毎年開催する大規模な顧客会議のDreamforceでは、セールスフォースからの最も重要な発表の多くをリードしている。実際、ベニオフ氏は声明の中で、テイラー氏はすでに本日の昇進以前の段階でも、製品のビジョン、開発、市場投入戦略を担当していたのだと述べた。

「彼の責任のポートフォリオが拡大することで、急速な成長と拡大を実現しつつ、顧客のみなさまのさらなる成功と革新を推進することができるのです」とベニオフ氏は声明で述べている。

同社を設立当初から見守っていた、CRM Essentialsの創業者であるBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、これは今後の事業継承の計画の一部になり得ると感じていると言う。この昇進は、ベニオフ氏と共同創業者のキース・ブロック氏が将来引退を考えたときに、テイラー氏が継承できるように準備を整えるサインなのかもしれない。

「将来のどこかの時点で大きな椅子に就けるように、彼のために準備が整えられているように感じます。彼は現在のリーダーたちの次の世代ですが、スタートアップでの彼の経験と象徴的な企業での象徴的なテクノロジーの創出の経験は、セールスフォースのような会社の中で彼に独特の地位を与えました」とリアリー氏はTechCrunchに語った。

Constellation Researchの創業者であり主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏は、テイラー氏はセールスフォースの新星であると述べている。「Facebookの「いいね!」ボタンやGoogleマップ、その他のイノベーションを発明した人物として、彼はテクノロジーチームをさらに発展させるための『選ばれし人物』(Chosen One)です」とワン氏は言う。

ワン氏は、テイラー氏の強みは、アイデアを市場へ投入するための現実的な道筋を迅速に決定することであることと同時に、複雑さを単純化する能力でもあると付け加えた。「これはセールスフォースにとって良い動きであり、彼らのチームが持つ人材層の厚さを示しています」と彼は言う。

2016年8月にセールスフォースが7億5000万ドル(約822億円)でQuipを買収したときに、テイラー氏はSalesforceに入社し、その後2017年11月に社長兼最高製品責任者(CPO)に昇進した。Quipを立ち上げる前は、彼はFacebookの最高技術責任者(CTO)だった。

関連記事:Salesforceがワードプロセッサアプリを提供するQuipを約822億円で買収

原文へ

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。