ソニー・ミュージックも利用中の字幕チェッカー開発のInVideoが約2.8億円調達

ビデオ編集アシスタントのスタートアップであるInVideoが新しいプロダクトと新しい資金調達ラウンドを発表した。米国サンフランシスコに本拠を置くInVideoは誰でもプロレベルのビデオを制作できるようにするサービスだ。 インターフェースはドラッグ&ドロップで誰でも直感的に操作できる。テンプレート、ストック写真、ストックビデオのライブラリも用意されている。製作されたビデオはFacebook、Instagram、YouTubeその他のプラットフォーム向けに最適化される。

InVideoの新しいアシスタントはさらに改良された。共同創業者でCEOのSanket Shah(サンケット・シャー)氏がビデオ制作のプロセスをデモしてくれたが、アプリは自動的に改善すべき点を発見してどうすべきか提案してくれる。シャー氏は「いわば文章作製における英文チェッカーのGrammarlyのビデオ版だ」と説明した。

同氏によれば、InVideoは現在テキストベースの2つの分野に力を入れているという。ひとつは文字の視覚的な可読性のチェックだ。たとえば明るい地色に白い文字がスーパーインポーズされていると非常に読みづらい。2番目の分野ではテキスト量を含めた可読性がをチェックする。一定時間内に表示される文字量が多すぎたり、移動、明滅が速すぎるなどの不適切な部分がないかを確認する。

同氏は私のインタビューに答えて、「InVideoの共同創業者は当初、ノンフィクションの書籍の内容を要約する10分間のビデオを制作するスタートアップを立ち上げた。このときビデオ制作は非常に手間がかかる難しい作業だと痛感した。最大の問題はスケールできないことだった」という。InVideoが目指すのはまさにこの点、ビデオ制作の手間を省き、スケールアップを容易にすることだという。

InVideoにはすでに世界150カ国に10万のユーザーがいる。これにはAT&T、ソニー・ミュージックに加えてReuters(ロイター)、CNN、CNBCといった大手ニュースメディアが含まれる。ソニー・ミュージックや大手メディアがInVideoのようなスタートアップのツールを使っているのは理由がある。同氏は「(こうした大企業は)ビデオ制作や編集が本来業務ではない。大統領選挙を報道するのはニュースメディアであってビデオ制作企業ではない。ニュースメディアの現場にはビデオ制作の経験が乏しいかほとんどないのが普通だ」と説明する。

料金は月額10ドルからで、動画に透かしが入る無料版もある。InVideoは250万ドル(約2億7800万円)の資金をSequoia Capitalのインド支社であるSurge、エンジェル投資家のAnand Chandrasekaran(アナンド・チャンドラセカラン)氏、Gokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏から得たことを発表した。これにより調達資金総額は320万ドル(約3億5600万円)になる。

ソフトウェアの発見と契約を手掛けるAppSumoのCEOでプレジデントのAyman Al-Abdullah(アイマン・アル・アブドラ)氏は「InVideoはユーザーフレンドリーで使いやすく、サポートも充実している。実際、AppSumoが扱った中で最高の仲介件数となっている」と高く評価した。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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