ソフトバンクとWeWorkがEmergeアクセラレータの最初のスタートアップ14社を選定

ソフトバンクグループのベンチャーキャピタル、SoftBank Investment AdvisersWeWork Labsは共同でEmergeの最初のチーム14社を選定したことを発表した。Emergeは価値を過小評価されているスタートアップのファウンダーを支援するアクセラレータプログラム。

両社のプレスリリースによれば、Emergeは「ソフトバンクがWeWork Labsのサポートを得て立ち上げた」ものと述べている。WeWork Labsは「グローバルイノベーションの促進」を目的としたWeWorkのアクセラレータだ。

これは株式取得を求めない8週間のワークショップで、両社の関係者がメンターとなってアドバイスを行う。またソフトバンクのトップとのセッションも用意される。こうした準備の後、投資家、ソフトバンクのパートナー向けのデモやイベントでクライマックスとなる仕組みだ。

Emergeのサイトによれば、このプログラムはカリフォルニア州サンマテオを拠点としているが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行のため、セッションを含めてすべのプログラムはオンラインで実施される。

SoftBank Investment Advisersのマネージングパートナーで最高人事責任者であるCatherine Lenson(キャサリン・レンソン)氏は声明に次のようにう書いている。

「ソフトバンクにとって、過小評価されている起業家とスタートアップを支援することは最優先事項だ。テクノロジー・エコシステム全般で、スタートアップに多様性を確保したい。この分野ではダイバーシティが不十分であり、欠けており、われわれにはなすべきことが多数ある。これがEmergeをスタートさせた理由だ。優れたファウンダーたちのインスピレーションがテクノロジー・コミュニティに多くのプラスの影響を与えることになるだろうと期待している」。

現在、WeWorkがソフトバンクグループを訴えるなど両社は法的、財務的に緊張した関係にあるが、一方では依然として緊密な協力も続いているわけだ。

Emergeの第1陣として選定されたスタートアップ14社は以下のとおり。

  • Aquagenuity:水質を分析し、環境をリアルタイムでモニターできるスマートデバイス
  • Bridge to College:学生の大学選択を助けるデータの提供と分析
  • Caldo:レストランチェーン各店舗にカスタマイズ可能な自動化とモバイル機能を提供する
  • GameJolt: 10万以上のゲームをフォローできるゲーマー向けプラットフォーム(開発中)
  • Koniku:呼気を分析して疾患を診断する
  • Mogul:雇用主が多様な人材を発見するのを助ける
  • Moment AI:AIがドライバーをモニタし運転の安全性を向上させる
  • Node:ユニークなキット部品から実際の家を組み立てる
  • OjaExpress:移民が出身国の食材を扱う近隣の食品店を探せるマーケットプレイス
  • Proven:MITの2018年の人工知能賞を受賞したThe Skin Genome Projectが提供する個人向けにカスタマイズできるスキンケア製品
  • Rebellyous Foods:植物性の肉を使った各種プロダクト
  • ScriptHealth:処方薬の購入を助けるサービス
  • Shyft:IoTデバイスとソフトウェアにより分散型エネルギー資源のインテリジェント管理ネットワークを構築する
  • SPS:米国の主要州とカナダから国際支払いをサポートする決済サービス

画像:WeWork

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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