インドのオンライン保険アグリゲーターであるPolicyBazaar(ポリシーバザール)は、8億900万ドル(約880億円)の資金調達を目指す新規株式公開を申請し、インド市場でこの2カ月の間に公開市場を開拓した4番目のスタートアップ企業となった。
PolicyBazaarは、インドの市場規制当局に提出した書類の中で、5億400万ドル(約550億円)を新株発行によって調達し、残りは既存の投資家による株式の売却によって調達したいと述べている。
SoftBank Group(ソフトバンクグループ)、Falcon Edge Capital(ファルコン・エッジ・キャピタル)、Tiger Global(タイガー・グローバル)、InfoEdge(インフォエッジ)から支援を受ける創業12年目のスタートアップは、IPO前のラウンドで約約1億ドル(約110億円)の調達を検討する可能性があるという。ソフトバンクは2億5000万ドル(約275億円)分の価値の株式を売却する予定で、PolicyBazaarの創業者たちは5270万ドル(約57億4000万円分)の価値の株式の売却を検討していると、書類には書かれている。
PolicyBazaarは、生命保険、健康保険、旅行保険、自動車保険、不動産保険などの保険契約を、従来の代理店を通さずにウェブサイト上で比較・購入できるアグリゲーターとしてサービスを提供している。同社はインドの他中東で事業を展開している。
インドでは現在、13億人の中で保険に加入している人はごく一部にすぎないものの、このようなサービスを大衆に提供するためには、デジタル企業が重要な役割を果たすとアナリストたちは分析している。格付け会社のICRAによると、2017年の時点で保険商品が行き渡っているのは、インドの人口の3%にも満たないという。
World Bank(世界銀行)によると、平均的なインド人の年収は約2100ドル(約23万円)。2017年に保険商品を購入したことのあるインド人が支払った金額は、平均50ドル(約5500円)に満たないと、ICRAは推定している。
「インドの生命保険市場は、良好なマクロ指標、金融商品やサービスに対する意識の高まり、商品やプロセスのデジタル化と簡素化、オンライン販売網、商品のイノベーションとカスタマイズ、政府の政策や規制による後押しが原動力となり、年率18.8%で成長し、2030年度には31.9兆ルピー(約46兆8000億円)に達すると予想される」と、PolicyBazaarはこの書類の中で述べている。
Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、2021年初めのレポートで、PolicyBazaarはインドのオンライン保険販売市場で90%のシェアを占めていると推定している。このプラットフォームは、インドではAcko(アコ)やAmazon(アマゾン)と競合しており、ローンやクレジットカード、投資信託も取り扱っている。同社によると、毎月100万件以上の保険を販売しているという。
「インドは保険市場が浸透していません。その中で、Policybazaarのようなウェブ・アグリゲーターを通したデジタル販売は、業界の1%未満です。これは大きな成長の余地があるということです」と、Bernsteinのアナリストは顧客に向けて書いている。
7月に上場して見事な成果を収めたZomato(ゾマト)をはじめ、フィンテック企業のPaytm(ペイティーエム)やMobiKwik(モビクイック)も、ここ数週間以内に株式公開を申請している。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:インド、新規上場、PolicyBazaar、保険、ソフトバンクグループ
画像クレジット:Arijit Sen / Hindustan Times / Getty Images
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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)