ソーシャルメディアを攻撃するトランプの大統領令が最初の法的問題に直面

大統領のツイートに手を加えたTwitter(未訳記事)を狙ったホワイトハウスの大統領令が、人権団体からの訴訟(PDF)に直面している。先週Twitterが、郵便投票に関する嘘の主張をしている大統領のツイート(未訳記事)に事実確認のラベルを付けたあと、大統領はその命令に署名した。

司法長官のWilliam Barr(ウィリアム・バー)氏が味方についたその大統領令は、特に通信品位法230条に狙いを定めている(未訳記事)。この条項は、インターネット企業がポストするコンテンツに関して当企業を法的責任から護っている。

先週、オンラインの市民の自由を守ることを掲げる非営利団体であるCenter for Democracy and Technology(CDT)が提起したその訴訟は、そのほかの市民団体と並んで大統領の命令を問題視した。またACLU(米自由人権協会)は、大統領令の発令行為そのものを表現の自由を押さえつけようとする露骨で薄っぺらな行為と呼んで退けた(ACLUプレスリリース)。

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文末にある訴状でCDTは、大統領令はTwitterに対する攻撃において「『明白に反動的』であり、大統領のツイートに注釈を付ける権利は米国憲法修正第一条で認められている」と主張している。その訴訟は大統領の意図を批判して、批判に対して政府が権力を行使することは「オンラインのプラットホームと個人の発言に対する憲法の保護を奪い無視するものだ」と述べている。

Twitterは米国時間6月2にCDTの訴訟の支持を共有し、「大統領令は自由なインターネットを侵食する『反動的で政治的意図に基づいた』アクションだ」と評した。

Twitter Public Policy:この大統領令は歴史的な法律に対する反動的で政治的動機に基づいたアプローチだ。法の230条は米国のイノベーションと表現の自由を保護し、民主的な価値によって裏打ちされている。それを一方的に侵食しようとする試みは、オンラインの発言とインターネットの自由を脅かすものである。

Twitterは先週後半の大統領のツイートを暴力を賛美しているとして警告し、同社とトランプ大統領との間の緊張はさらにエスカレートした。そのツイートの不吉な声明、「略奪が始まれば銃撃が始まる」に、アメリカの反政府活動家たちは恐怖を感じた。この言葉には、黒人アメリカ人に対する政府公認の暴力の忌まわしい歴史的ルーツ(ワシントン・ポスト記事)がある。

CDTの理事長でCEOのAlexandra Givens(アレクサンドラ・ギブンズ)氏は「この大統領令はソーシャルメディアサービスが誤報や有権者の抑圧、そして彼らのプラットホーム上における暴力の扇動と戦うことを、阻止しようとしている」と述べる。そして「大統領は脅しと報復と今後の規制を利用して、メディアが行うコンテンツのモデレーションのやり方を変え、有権者の抑圧や誤報が選挙の年に野放しで確実に増えることを意図している」と続けた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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