RevCommは2月28日、同社が開発・提供しているAI搭載IP電話のMiiTel(ミーテル)を3月2日から2カ月無償提供することを発表した。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが推奨されている中、テレセールスやサポートセンターなどの業務を在宅で遂行できるようになる。通常は、1ユーザーあたりの月額コストとして、基本使用料5980円、電話番号使用料1500円、モバイルアプリ使用料500円がかかるが、3月2日~4月30日までの2か月間は無償で利用できる。ただし、実際の使用に伴う電話料金は利用者負担となる。
MiiTelは、営業トークの内容を録音し、ログを取得できるのが特徴。取得した録音データをAIが分析し、沈黙した時間、会話を被せてしまった回数、声量、テンポなどを数値化できるほか、会話の内容を自動的にテキストデータ化することも可能だ。これらのデータを利用して、担当者自らが課題を確認してセルフコーチングすることもできる。
IP電話なので、電話回線を敷設する時間やコスト、携帯端末の用意はもちろん不要。PCとインターネット接続環境があればすぐに利用できる。記録されたログによって「誰がいつ誰と何を何分話したか」というデータを共有できるので勤怠管理も容易だ。
RevCommは、2019年にTechCrunch Japanが開催したテクノロジーとスタートアップのイベント「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」で最優秀賞に輝いた企業。2019年のスタートアップバトルは、過去最多の120社超から選抜された20社がファーストラウンドに登壇、その20社からさらに選抜された6社がファイナルラウンドに進んで最優秀賞をかけて戦ったピッチイベントだ。ちなみに同社は、TechCrunch Tokyo 2019だけでなく、2019年にはさまざまなイベントで賞を獲得し、サービスの知名度や契約者数を向上させてきた。人材サービスなどを展開するビズリーチが2018年10月に設立した「ビズリーチ 創業者ファンド」の投資第1号案件でもある。
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MiiTelを導入して本格的にテレワークを進めるには、PCやインターネットの常時環境、企業内に蓄積されている顧客データの共有といった環境整備が必要で、すぐに移行できるわけではない。しかし、導入が容易なIP電話システムを電話料金を除いて2カ月間無償で利用できるというのはかなりのメリットだ。東京五輪などの大型イベントに備えたテレワークの予行演習としてMiiTelを試験導入してみる価値はあるだろう。