テレビ画面上の顔の出現頻度を毎秒チェックするAIサービスVerso、政治家やタレントの人気ランキキングなどに利用

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ロシア政府がアメリカの大統領選をハッキングしている、というニュースが今や大きいけど、一部の頭の良いロシアのデベロッパーたちが、もっとましなことをやった。テレビをモニタして人の顔(たとえば世界の主要国のリーダーたち)の出現頻度を記録するのだ。

そのAIを利用したアルゴリズムは、すべてのメディア上に、リーダーたちの出現を追う。Versoと名付けたそのサービスは、各国の大統領や首相らの出現頻度を記録し、その順位をリアルタイムで表示する。

Versoは、人の顔(ぼやけていてもよい)を素早く認識するアルゴリズムの、応用の実験で、そのアルゴリズムはMoscow State Universityが開発した。

Versoは一秒おきに、テレビの各チャンネルのスクリーンショットを撮る。そしてそのときの画面中のすべての顔をアルゴリズムが処理して、訓練されている顔(現状は主要国のリーダーのみ)とマッチングする。

一つの顔の認識に要する時間は数ミリ秒、確度は99%だ。ピンぼけでも、横を向いた顔でもよい。そのデータは、リアルタイムで送られる。

Russian Venturesの常勤社員パートナーEugene Gordeevはこう言う: “あくまでもAIの実験とシステムの試作だから、まだ万能ではないし、概要が分かるだけだ。Verso(裏面)という名前をつけたのは、謙遜の意味もある”。

このソフトウェアのライブのデモがここにある。チェックしているのは、20のチャンネルだ。

ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの二度目のディベートで、両者の顔をチェックしたデータがこれだ。最初のうちはトランプが多くて、その後は最後までクリントンの映像が多い。

Versoは今後、ウォッチするチャンネルを100にする計画だ。そうすると国や地域による偏りのない、全世界的な傾向が得られるかもしれない。もちろん、訓練次第では、人の顔だけでなく、特定の製品などを映像中に見つけることもできる。

Gordeevによれば、“今後は映像だけでなく、テキストや音声も認識できるようにしたい。そしてそれらの意味も理解できるようになれば、(表情や文章などの)ポジティブとネガティブの違いを判断できるようになるだろう”、という。

Versoは10万ドルの資金を獲得しているが、今後の増資も計画している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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