ディズニーは、米国東部時間3月20日午前0時2分に21世紀フォックスの買収を完了した。
713億ドルというこの巨額ディールの目標は、ストリーミングを将来の事業の中心に据えることだ。ディズニーはすでにESPN+ストリーミングサービスでもってその方向へと足を踏み入れている。そして今年後半にはDisney+という別のサービスの提供を開始する計画だ。このサービスにはディズニーの全ての映画ライブラリー、そしてStar Warsの新作やMarvel(マーベル)も含まれる。
フォックスの買収でディズニーはより多くの映画、テレビ番組、そして知的財産を有するようになった。これは、ディズニーのウェブサイトトップのイメージデザインが、「シェイプ・オブ・ウォーター」「アバター」「デッドプール」(これらはすべてフォックスの映画だ)、そして「シンプトンズ」「アトランタ」(これらはフォックススタジオが制作し、フォックスネットワークで放映された)を特集するものに変更されたことにも表れている。ディズニーはまた、Huluの大株主にもなり、CEOのBob Iger氏(写真上)は「ディズニーはHuluのオリジナルコンテンツ拡充に投資し、グローバル展開もサポートする」としている。
加えて、見たところディズニーのスタジオは多くの観客を映画館に引き込むことができるなどすでにハリウッドで支配的的な立場を築いているが、今回の買収はそれをさらに確固たるものにする。MarvelとLucasfilmの買収のおかげで、ディズニーは過去4年間、グローバルでの観客動員数が毎年トップだ。そして2018年にはトップ4の映画のうち3本がディズニー制作のもので、一方でフォックスは2本がトップ10入りした。
昨年コムキャストと展開したフォックス争奪戦を買収額713億ドル(約7.9兆円)の提示で制したディズニーだったが、その後、規制当局の承認を得るまでに9カ月も要した。
一方で、フォックス・ニュース、フォックス・ブロードキャスト・ネットワーク、フォックス・スポーツを含むフォックスのニュース・スポーツ部門は新会社としてスピンアウトし、今回の買収の結果、4000人超が解雇される見込みだ。
「困難な局面はすべて去った、と言えればどんなにいいことだろう。買収の完了はマイルストーンの達成というより、ゴールラインだった」とIger氏は社員へのメモで述べた。「今後は、ダイナミックでグローバルなエンターテイメント会社にするために我々の事業を統合させるという難題が待ち構えている」。
Image Credits: Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)