ディレクション業務もアウトソース、オフショア開発のモンスター・ラボが「APPSTARS」をリリース

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モンスター・ラボは本日、個人のディレクターやプロジェクトマネージャーとクライアントのアプリやウェブ開発の相談依頼とをつなぐプラットフォーム「APPSTARSアップスターズ)」をリリースした。APPSTARSは登録ユーザーとクライアントを直接つなげるものではなく、モンスター・ラボのプロジェクトチームに参加して仕事をするもので、従来のクラウドソースとは少し異なる働き方を提案する。今回モンスター・ラボの代表取締役CEOである鮄川宏樹氏にこのプラットフォームの仕組みとその意図について聞いた。

ウェブディレクター、プロジェクト・マネージャー、ITコンサル経験者はAPPSTARSの登録者側ページから無料で登録ができる。経歴や実績の書類審査と面談を行い、正式に登録されたディレクターに個別に案件を紹介する。例えば、期間2ヶ月からのウェブディレクターの仕事や半常駐のアプリディレクションの仕事などがある。appstars_example

クライアントはクライアント側のページからAPPSTARSに開発や企画提案の依頼をすることができる。コンサルティング、課題把握、企画提案、UIデザインやコンセプトイメージ制作など多岐の内容に対応するという。APPSTARSはクライアントに具体的なヒアリングを行った上で最適なディレクターを選出し、クライアントとディレクターが互いに合意すれば仕事が始まる流れだ。ディレクターの契約形態としては、APPSTARSと業務委託を締結し業務を行う場合もあれば、クライアント先に紹介する形を取る場合もあり、案件の内容やディレクターの希望に合わせて柔軟に対応していくと鮄川氏は話す。

APPSTARSを立ち上げた理由について、鮄川氏はモンスター・ラボで提供する「セカイラボ」では拾いきれていなかったクライアントのニーズに応えるためと話す。「セカイラボ」は、海外の優秀なエンジニアチームを集め、国内企業向けに低価格で高品質なオフショア開発の提供するサービスだ。これまで800以上のプロジェクトを手がけてきたが、依頼主の半数を占める非IT系の企業からは開発だけでなく、アプリやウェブサービスの企画段階から提案がほしいという要望が多くあったと鮄川氏は言う。非IT企業もインターネットを活用したデジタル事業に進出したいと考えているが、当然のことながらデジタルビジネスを行った経験はなく、アプリやウェブサービスをどのように企画し、どのように仕様に落とし込めば良いか分からないという課題を抱えている。APPSTARSでは優秀なディレクション人材を獲得し、クライアントの要望を聞き出して開発チームに円滑に橋渡しができる環境を作り出したい考えだ。

フリーのディレクターはAPPSTARSを利用することで、自分で開発チームを集めなくても多様な開発プロジェクトの経験を積むことやある程度安定した稼働を見込むことができるだろう。また、週2日からの仕事もあり、自分に合った働き方を選択することも可能だ。現状、クライアントがAPPSTARSに登録しているディレクターを探したり、指名したりすることはできないが、ゆくゆくはそのような機能も追加することを検討していると鮄川氏は話す。

「APPSTARS」のリリースを機にディレクター人材の育成にも力を入れるという。ディレクションの知見を共有するための勉強会を定期的に開催する予定だと鮄川氏は話す。開発の需要が増えるのと比例して、ワイヤーフレームや仕様を考え、工数を算出してプロジェクト管理ができるような人材の重要性は増すと考えていると鮄川氏は言う。開発もディレクションも人材不足の状況だが、モンスター・ラボは率先して人材育成に注力し、開発やディレクションのネットワークを作ることで、「開発のグローバルソーシング」の実現を目指す計画だ。

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TechCrunch Japan

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