トップクリエイターから学べるライブ動画プラットフォームのBrightが16億円調達

ファンたちがお気に入りのクリエイターや著名人とライブで会話をすることができるライブ動画プラットフォームBright(ブライト)が新たに1500万ドル(約16億円)の資金を調達したと発表した。この調達ラウンドは、同社の共同創設者でタレントマネージャーのGuy Oseary(ガイ・オザリー)氏がAshton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏とともに設立したファンド、Sound Ventures(サウンド・ベンチャーズ)が共同で主導。RIT Capital(RITキャピタル)とRegah Ventures(レガー・ベンチャーズ)も共同主導している。

その他にも、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures(タイム・ベンチャーズ)、Globo Ventures(グローボ・ベンチャーズ)、Norwest Venture Partners(ノースウェスト・ベンチャーズ・パートナーズ)、Shawn Mendes(ショーン・メンデス)氏とマネージャーのAndrew Gertler(アンドリュー・ガートラー)氏のAG Ventures(AGベンチャーズ)の他、Twilio(トゥイリオ)のCEO兼共同設立者であるJeff Lawson(ジェフ・ローソン)氏などが同ラウンドに参加している。

さらにBrightによると、Rachel Zoe(レイチェル・ゾー)氏、Drew Scott(ドリュー・スコット)氏、Jonathan Scott(ジョナサン・スコット)氏、Judd Apatow(ジャド・アパトー)氏、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏、Amy Schumer(エイミー・シューマー)氏、Bethenny Frankel(ベセニー・フランケル)氏、Ryan Tedder(ライアン・テダー)氏など、多くのアーティストやパフォーマー、俳優などさまざまな著名人が出資しているという。また、Jessica Alba(ジェシカ・アルバ)氏、Kane Brown(ケイン・ブラウン)氏、Maria Sharapova(マリア・シャラポワ)氏がアドバイザーとして参加している。

5月に誕生したBrightは、マドンナやU2のタレントマネージャーであるオザリー氏と、YouTube(ユーチューブ)初期のプロダクトマネージャーであるMichael Powers(マイケル・パワーズ)氏が共同で設立した会社である(パワーズ氏は以前Google在籍中にYouTubeチャンネル機能を立ち上げた経験もある)。同スタートアップの目的は、成長中のクリエイター経済を活用してクリエイターらがYouTubeのような広告ネットワーク以外でマネタイズできるような仕組みを作り、クリエイター自身でビジネスを成長できるようにすることである。

同社のプラットフォーム自体はZoomを基盤として構築されている。これによりリアルタイム動画の技術をゼロから作る必要がなくなった上、パンデミックによって広く普及したZoomを活用すればその分のメリットがあるというわけだ。

サービスを開始した当初、200名以上の著名なクリエイターが自身のストーリーや専門知識を共有したり、インタビューに答えたり、アドバイスをしてくれるというチケット制のオンラインイベントを開催すると発表した同社。現在では320人以上の著名人が同サービスに参加し、ファンとの交流や自身のブランド構築を続けている。その中にはMadonna(マドンナ)、Naomi Campbell(ナオミ・キャンベル)氏、D-Nice(Dナイス)、D’Amelio Sisters(ダミリオ・シスターズ)、Laura Dern(ローラ・ダーン)氏、Deepak Chopra(ディーパック・チョプラ)氏、Lindsey Vonn(リンゼイ・ボン)氏、Diego Boneta(ディエゴ・ボネータ)氏、Jason Bolden(ジェイソン・ボルデン)氏、Yris Palmer(イリス・パーマー)氏、Cat & Nat(キャット・アンド・ナット)、Ronnie2K(ロニーツーケー)、Chef Ludo Lefebvre(シェフ・ルード・ルフェーブル)氏などが名を連ねている。今後のセッション開催に向けてさらに多くのクリエイターが続々と参加しており、同社は年末までに参加クリエイターの数を倍増させる予定だという。

ソーシャルメディアのクリエイターツールとは異なり、同社のサービスは単に「いいね!」や「フォロー」を獲得するのではなく、知識を共有することに重点を置いている。例えば最初のセッションでは、俳優のローラ・ダーン氏が「自己成長」について語ったり、ストリーマーでオンラインクリエイターのRonnie2Kが「ゲーム界でのキャリア構築」についてシリーズを開催したりしている。つまり、Brightでは単にハリウッドの娯楽やトップアーティストを売りにしているのではなく、彼らの話を聞くためにお金を払ってくれる誰もが顧客になり得るのである。

現在ではクラフト、ホーム、マネー、カルチャー、ボディ、マインドなどの各分野でさまざまな興味やトピックのセッションが行われている。

Brightのセッション例

同社はクリエイターの収入に対して20%の手数料を取ることで収益を得ている。これは従来のマーケットプレイスの30:70(プラットフォーム:クリエイター)という比率よりはやや低いが、手数料なしのダイレクトペイメントを提供するClubhouse(クラブハウス)のような新しいプラットフォームよりは高額な設定となっている。

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今回の資金調達は、学習セッション、視聴者とのコミュニケーション、収益パフォーマンスを管理するための新しいクリエイターツールセットであるCreator Studio(クリエイター・スタジオ)の展開に使用されるという。これらのツールはファンベースの拡大に加え、ライブセッションによってビジネスを構築しようとしているクリエイターに向けたものである。

まず、9月にクリエイターたちに提供されるのは、今後開催されるセッションの告知を管理したり、チケットや価格を設定してセッションを販売したりするためのセッションリストツールだ。その後、分析機能や参加者に直接メッセージを送るための接続機能、収益をトラッキングするためのウォレット機能などが追加される予定だと同社は伝えている。

同社は今回の資金により、即時投票や学習資料を参加者と共有する機能などのインタラクティブな新機能を追加したり、新しく入ってきた人材のオンボーディングに使用したりすることができるようになるという。

YouTube、Facebook(フェイスブック)、TikTok(ティックトック)、Twitter(ツイッター)などの大手企業をはじめ、オンラインクリエイターにサービスを提供しようとする競合他社が増え続ける中、これらの機能はBrightを際立たせる重要な要素となるかもしれない。しかし今のところは、ビッグネームを呼び寄せることのできるオザリー氏の個人的なネットワークの強みの方がより注目すべき差別化要因と言えるだろう。

「私は生涯学習というコンセプトに深く共感しているため、オーディエンスが最も尊敬するアーティストや専門家から直接学べる類い希な機会を提供するBrightのようなプラットフォームに投資できることを誇りに思います」と新規投資家で監督兼プロデューサーのジャド・アパトー氏は声明内で伝えている。「Brightを通じて作家仲間や監督志望者、コメディを愛する人たちと直接つながり、知識を共有することができるのです」。

Brightは収益の詳細については公表していないものの、1〜2時間のセッションで25ドル(約2750円)から150ドル(約16500円)のチケットを販売しているとTechCrunchに話してくれた。

BrightのCEOであるパワーズ氏は次のように述べている。「著名なアーティストや起業家だけでなく、すばらしい投資家の支援を得ることができ、大変うれしく思っています。憧れの人から直接学ぶことで人生をレベルアップさせたいというBrightのビジョンを全パートナーが共有しています。Brightを通じて著名人は自らの知識を共有し、そのトピックや情熱を前面に押し出すことで、オーディエンスとより真摯に向き合うことができます。我々のプラットフォームとミッションをさらに向上させるための新機能を本格展開できることに胸を躍らせています」。

画像クレジット:Bright

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

投稿者:

TechCrunch Japan

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