トヨタは、自動運転技術を搭載した電動パーソナルモビリティのコンセプトカー「Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズを拡大する。今年1月にラスベガスで開催されたCESで初公開した同名の4輪モデルに加え、ユニバーサルな小型モビリティ「Concept-愛i RIDE」と、セグウェイ風の歩行空間向け3輪電動スクーター「Concept-愛i WALK」を新たに追加し、10月25日に開幕する東京モーターショー(一般公開は28日から)に出展すると発表した。この3台は、クルマがドライバーの感情や好みを理解できるように人工知能技術を搭載し、人とクルマがパートナーの関係になることを目指すという。
トヨタによれば、Concept-愛iシリーズは、人を理解する「Learn」技術をベースに、自動運転技術による「安全・安心」(Protect)と、エージェント技術によって移動の楽しさを充実させる「新しいFun to Drive」(Inspire)を提供するという。例えば、表情や声色、位置情報、さらにはSNS発信までも手掛かりにしてドライバーを理解し、多少遠回りになってもドライバーにとってより楽しいと思われるルートを提案する。また、五感全てを読み取れるので、ドライバーのまぶたが落ちてきたら注意したり、イライラ感を察知したらシートをリズミカルに伸縮したり、憂うつそうな時はドライバーの好きな曲を流したりする。さらに、ドライバーが危険な状態や高ストレス状態に陥った際には、運転機能を完全に引き継ぐことも可能だという。
こうした触れ込みに対し、気持ち悪いと感じる人もいるだろう。
トヨタはConcept-愛iでクルマを「機械を超えたパートナー」にすることを目指すと述べている。なお、ディープラーニングの人工知能システムに投資している自動車メーカーは、決してトヨタだけではない。
各車のスペックも紹介しておくと、Concept-愛iは電動パワートレインを搭載し、航続距離は約300km。カーシェアリング・サービスでの活用を想定した2シーターのConcept-愛i RIDEは、車いす利用者の乗降や車いすの積み下ろしを支援するガルウィングドアと電動スライド式シートを備える。ステアリング・ホイールやアクセル・ペダル、ブレーキ・ペダルの代わりにジョイスティックを採用し、航続距離は約100~150km程度。3輪のConcept-愛i WALKは、ステア操舵機能、小さな回転半径を特徴とし、航続距離は約10~20kmとなっている。
トヨタは2020年頃、Concept-愛iの一部の技術を搭載した車両で、日本における公道実証実験を開始する予定だ。
AutoBlog 日本版からの転載。