ドローンパイロットを提供するDroneBaseが約8億円調達、再生可能エネルギー企業との連携狙う

ロサンゼルス拠点で、産業サービス企業向けにドローンパイロットを提供しているDroneBase(ドローンベース)が、再生可能エネルギー企業との仕事を倍増させるため、新型コロナウイルスが蔓延する最中に750万ドル(約8億円)を調達した。

CEOのDan Burton(ダン・バートン)氏は、新型コロナウイルスのパンデミックの前に資金調達を行っていたことを認めているが、実際には産業界がロックダウンしたことで、同社のサービスに対する需要を増加した。需要の増加にもかかわらず、同社はいくつかの変更を余儀なくされた。具体的には、6人の従業員を解雇し、事業に再集中する必要があった。

バートン氏は「この3カ月間で、ドローンが産業を担う必要があると感じた」と語る。「会社としては売上増と技術への投資を回収したうえで、黒字化のための短期計画を実行した」と続ける。

同社に近い関係筋によると、5月に完了したこの新しい調達ラウンドは、前回のラウンドよりもやや小さいようだ。同氏によると「グロウスラウンドの調達は今年の後半にずれ込む」とのこと。

同社の新しい投資家は、Valor Equity PartnersとRazi Venturesで、既存の投資家であるUnion Square VenturesやUpfront Ventures、Hearst Ventures、Pritzker Group Venture Capitla、DJIのグループに加わった。同社の声明によると同社の調達総額は3200万ドル(約34億円)近くになる。

同社のコアビジネスはドローンのパイロットを手配するテクノロジーだが、それを軸にこれまでデータとアナリティクスのサービスも提供してきた。新たな資金は主に後者の育成に充てられる。そのほか今回の資金は、ドイツに置いたDroneBase Europeによるヨーロッパでの営業の拡大にも使われる。

バートン氏は 「DroneBaseが再生可能エネルギーの分野に進出するのは、風力とソーラーのエネルギー産業が今後大きく伸びるからだ。風力もソーラーもすでに多くの企業が手がけているが、弊社はDroneBase Insightsのプラットホームを利用して再生可能エネルギー業界におけるグローバルなマーケットシェアを広げていきたい」と声明で語っている。同社によると、風力発電の企業はDroneBaseのメインのアプリケーションを使ってタービンの監視と管理を行い、アップタイムを増やし、問題をそれらが顕在化する前に見つけるという。

そして太陽熱発電の企業には、赤外線画像の分析技術を持つパイロットのネットワークを提供して、ソーラーパネルのホットスポットなど欠陥箇所を見つける。

投資家の見解としては、Valor Equity PartnersのパートナーであるSam Teller(サム・テラー)氏が「DroneBaseは商用市場におけるドローンのリーダー的存在だが、再生可能エネルギーの分野における同社の新しいビジネスは、彼らのインフラストラクチャを数世代にわたって稼働可能な状態に維持し、エネルギーの未来に対し永続的なインパクトを与えるだろう。我々はDroneBaseが今後もドローンのオペレーションと、全世界の複数の業界にまたがるデータ分析で、価値あるパートナーであり続けることを信ずる」と声明で述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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