ネクソン創業者の金正宙氏死去、享年54歳

ネクソンの創業者、金正宙(キム・ジョンジュ)氏

韓国のゲーム会社NEXON(ネクソン)の創業者である金正宙(キム・ジョンジュ)氏が、54歳で亡くなった。

米国時間3月1日、ネクソンの持ち株会社NXCは声明を発表した。「深い悲しみとともに、ネクソンは、2月に亡くなった愛する創業者、金正宙(キム・ジョンジュ)の予期せぬ死を悼みます」。

彼の突然の死は、金氏をアイコンであり、パイオニアとして見ている韓国のゲーム業界に大きな衝撃を与えている。同社は死因を明らかにしていない。報道によると、金氏はうつ病の治療を受けており、病状が悪化したようだという。彼には妻と娘2人がいる。

1994年にネクソンを設立した金氏は、無料で遊べるPCおよびビデオゲーム分野のパイオニアであり、1996年に多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)を発売した。その人気タイトルには「風の王国」「メイプルストーリー」「クレイジーレーシング・カートライダー」「マビノギ」「アラド戦記」などがある。

金氏は16年間務めたNXCのCEOを退任した。金氏は2019年に約90億ドル(約1兆350億円)相当のNXCの過半数株式の売却を検討したが、適切な買い手が見つからなかったため、売却を取り下げたという。

世界最大級のゲーム会社であるネクソンは、2005年に本社をソウルから東京に移し、2011年に東京証券取引所に上場し、その年の日本最大の新規株式公開で10億ドル(約1150億円)以上を調達した。

ネクソンの最高経営責任者(CEO)兼社長のOwen Mahoney(オーウェン・マホニー)氏は声明で「私たちの友人そして指導者であり、世界に計り知れないほどのすばらしい影響を与えた金正宙を失った悲しみは表現しきれないほどのものです。ネクソンの創業者であり、先見性のあるリーダーとして、懐疑的な目を向けられても、クリエイティブな直感を信じることが大切だと周囲に伝えてきました。彼は、ネクソンファミリーそして多くの友人から深く惜しまれることでしょう」と述べている。

Forbesによると、2021年5月時点で韓国で3番目の富豪である金氏は、2018年にスタートアップと小児病院に9300万ドル(約107億円)を寄付することを約束している。

NXCは2017年に韓国初の暗号資産取引所Korbitへの投資を通じて、暗号事業に多角化した。同社は、190カ国以上で45以上のライブゲームを提供している。

画像クレジット:Nexon founder Jung-ju Jay Kim

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(文:Kate Park、翻訳:Katsuyuki Yasui)

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TechCrunch Japan

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