ハッカソンとオンラインのテクノロジコンテストの“興行師”であるChallengePostは、今年2013年を誇らしげに回想することができる(情報開示: 本誌もTC Disruptのハッカソンの運営をChallengePostにお願いしている)。同社は今年750万ドルの賞金をデベロッパやソフトウェアの作者に進呈し、同プラットホームの登録ユーザ数が4万に達し、130件のハッカソンやオンラインコンペをホストした。売上は2012年に比べ100%成長(==倍増)したが、しかし同社はすでに新しいものに目を向けている: ハッカソンのような短時間で提示されるイノベーションを、これからは、その後の経過についても見守るのだ。
ChallengePostのファウンダでCEOのBrandon Kesslerは、こう語る: “どの業界もこれからは、デベロッパのプラットホームとそのエコシステム作りが競争の中心になる。もちろんそこに擁するデベロッパやデザイナーの質も重要だ。そのことはうちにとって、未来の非常に重要な側面であり、しかも現実はすでにそうなりつつある。その中でChallengePostは、デベロッパのマーケティングに秀でた唯一のプラットホームだと自負している”。
現在ChallengePostは、本誌がDisruptのイベントとして主催しているような、生身の当人が出る24時間のハッカソンと、同社が“チャレンジ”と呼ぶ最長数週間のオンラインイベントを運営している。後者では前者よりも完成度の高い、実用性のあるソフトウェアが作られる。たとえば今年の初めにAppleが買収した乗り換え案内アプリEmbarkは、ChallengePostのオンラインチャレンジイベントで初登場した。またSamsungが同社のスマートTVプラットホームの充実のために買収したビデオのスタートアップMovilも、やはりそうだ。
Kesslerはこう言う: “いちばん注意しているのは、作品をチャレンジの中だけでなく、作者がそのほかの場所や機会にも作品を出して、作品の露出度を高めることだ。それが、デベロッパのモチベーションを高めることにもつながる。また、新しい良質なソフトウェアを求めている側にも、うちのチャレンジやハッカソンという限られた機会だけでは十分に対応できないのだ”。
“そもそも、‘デベロッパやその作品を検討するのは3月と4月だけにしたい’なんていう企業は存在しない。またデベロッパ側も、‘作品を世間に見せるのは1月から4月までに限定したい’なんて言わない。だから、従来のハッカソンやチャレンジという限定的な時間枠だけでなく、年間を通じて作品が露出されている状態を作り出したい”。
もちろんChallengePostはこれまでのコンテストやハッカソンやチャレンジも続けるけど、それだけでは大きなビジネス機会を逃していることに、Kesslerはどうやら気がついたのだ。たしかにハッカソンなどは短期的に豊かなデベロッパエコシステムを作りだし、デベロッパの関心も盛り上がるが、その潮が引いたあとは、サポートシステムがまったくない。参加したデベロッパたちの多くが、路上の孤児のように放置されてしまう。それは、あまりにもナンセンスではないだろうか。…とKesslerは言いたいのだ。
ではChallengePostは、ハッカソンなどの時間的制約をぶち破るために、今後何をするのか? Kesslerは具体的な話をしなかったが、もうすぐ情報を発表する、と言った。同社は今、人気絶頂だから、次の高みに登るための新しいことを始めるのに良いチャンスだ、とは言えるね。今なら、顧客の関心も、ユーザ(デベロッパ)のエンゲージメントも、ともに高いから、その波に乗らない手はない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))