バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

私のように、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)開催期間中のロサンゼルスのダウンタウンを懐かしく思い出しながら、この週末を過ごした人もいるに違いない。フィッシュタコス、The Last Bookstore(ザ・ラスト・ブックストア)、派手な照明のホテルのロビーでバスケットボールのプレーオフを観戦。そしてもちろん、次から次へと行われるビデオゲームのプレスカンファレンス。

だが、このゲームショーは2年連続で2021年もバーチャルな開催となった。その理由はご存知のとおり、我々の過去1年半の人生に大きな影響を及ぼしたウイルスのせいだ。2020年のショーは完全にキャンセルされた(が、いくつかの企業はオンラインでスケジュールどおりに発表を行った)。主催者が、1つのデジタルイベントとして開催することは不可能だと考えていたからだが、率直に言って、彼らがその限界を理解していたことは、結果的に最善だったと思われる。

米国時間6月12日に開幕したE3 2021は、初めてのオールバーチャル版イベントとなった。そして今のところ、バーチャルで開催されるのはこれが最後となる予定だ。Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長は、2022年にE3がLAコンベンションセンターに戻ってくることを発表してショーの幕を開けた。

ゲーム業界は2020年も好調だった。世界の一部地域ではウイルス感染が収束していないため、成長は鈍化しているものの、成長それ自体は継続している。米国時間6月14日朝に市場調査会社のNPDがタイミングよく発表した数字によると、2021年5月のゲームへの支出は45億ドル(約4950億円)で、前年同月比で3%の成長となった。年初来では17%増となっている。

2020年のショー開催中止は、ハードウェアの観点からは確かに不幸なタイミングだった。E3で次世代ゲーム機の発表は大規模なイベントとなるからだ。2020年にはPlayStation 5(プレイステーション5)とXbox Series X(エックスボックス・シリーズX)が登場したが、発表はSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)の自社イベントにとどまった。だが、それによってメーカーは、大きなイベントですべてを公開する代わりに、少しずつ詳細を明らかにしていくことで、消費者の興味を引っ張ることができた。このような戦略には、大規模なイベントよりも、バーチャルなプレゼンテーションやブログ記事の方が適している。

@XboxP3をはじめとするチームのみなさん、すばらしいショーケースおめでとうございます。ゲーマーにとってすばらしい時代に。

ソニーは今回のE3も参加を見送っている。同社が2021年の夏に、大規模な「State of Play」のバーチャルイベントを開催する可能性は高いものの、それはE3とは無関係だ。しかし、PlayStation Studios(プレイステーション・スタジオ)の責任者であるHermen Hulst(ハーメン​・フルスト)氏のようなソニーの幹部は、この機会にTwitter(ツイッター)で「すばらしいショーケース」とマイクロソフトを祝福した。それはすてきなことだ。

ビッグ3の中で、今回のE3で発表を行った企業は、今のところマイクロソフトだけである。任天堂は米国時間6月15日(日本時間6月16日午前1時)に「Nintendo Direct | E3 2021」の放送を予定しており、このイベントでは有機ELディスプレイと内部をアップグレードした「Switch Pro(スイッチ・プロ)」が登場する可能性がある。そしておそらく、発売から4年が経つゲーム機の新バージョン登場に合わせて、数々のアップグレードされたコンテンツが発表されるだろう。

一方、マイクロソフトはゲームに力を入れてきた。最近Xbox Series Xが発売されたばかりであることを考えれば当然だろう。そしてこのようなバーチャルなイベントは、たくさんのトレーラーを公開する機会として最適だ。同社は今回、全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)を発表した。そのうち27本は「Xbox Game Pass(エックスボックス ゲームパス)」に含まれるといえば、Xboxのゲームが将来的にどのような形になるか、想像がつくだろう。マイクロソフトが2021年初めにBethesda(ベセスダ・ソフトワークス)を買収したこともあり、今回のイベントは「Xbox & Bethesda Games Showcase」という名前で行われた。

「成長を続ける私たちのファミリーである23のスタジオは、私たちみんなが愛するメディアを発展させることに専念しています」と、マイクロソフトは述べている。「お伝えできてうれしいお知らせがあります。この週末から年末まで、Xbox Game Passでは、ホリデーシーズンにリリースされる『Halo Infinite(ヘイロー・インフィニット)』を含むXbox Game Studiosの5つのタイトルを筆頭に、毎月連続で新作ゲームを初日からお楽しみいただけます」。

ハイライトを以下にご紹介しよう。

「Halo Infinite」は、トレーラーとマルチプレイヤーのゲーム中の映像が公開された。Xboxの主力人気ゲームの最新作が2021年のホリデーシーズンに発売される。

「Starfield(スターフィールド)」は、2022年(ため息)11月11日に発売予定。この広大な宇宙を舞台にしたタイトルは、発売時にはXbox独占タイトルとなる。

「Forza Horizon 5(フォルツァ ホライゾン5)」は11月に発売される。この人気レースシリーズの最新作は、メキシコが舞台だ。

クロスプレイ対応の「Sea of Thieves(シー・オブ・シーヴス)」は、映画「Pirates of the Caribbean(パイレーツ・オブ・カリビアン)」とコラボレートし、キャプテン・ジャック・スパロウなどが登場するゲームプレイが追加になる。

「Age of Empires IV(エイジ・オブ・エンパイアIV)」は拡張版トレーラーとともに発売日が発表された。10月28日だ。

「Battlefield 2042(バトルフィールド2042)」は初めてゲームプレイ映像が公開された。魅力的な新しいウィングスーツも確認できる。

マイクロソフトの「Flight Simulator(フライトシミュレーター)」は、7月27日に「トップガン」の拡張コンテンツとともに新型Xboxに登場する。これは2021年公開予定の映画「Top Gun:Maverick(トップガン マーヴェリック)」を記念したものだ。

Square Enix(スクウェア・エニックス)も、日曜日に恒例の大規模なショーケースを開催した。このパブリッシャーは、Marvel(マーベル)の新作タイトルを続々とリリースする。ハイライトは以下の通り。

待望のアドベンチャータイトル「Guardians of the Galaxy(ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー)」は、2021年10月に発売予定。

一方「Marvel’s Avenger(アベンジャーズ)」では、ブラックパンサーをテーマにした拡張コンテンツ「War for Wakanda」が8月に配信される。

スクウェア・エニックスのイベントには「Final Fantasy(ファイナルファンタジー)」のスピンオフ作品が欠かせない。この長年愛されてきたRPGから、新作「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN(ストレンジャー・オブ・パラダイス ファイナル・ファンタジー・オリジン)」が誕生。2022年にさまざまなプラットフォーム向けに発売される予定だ。

Ubisoft(ユービーアイソフト)は6月12日に「Avatar(アバター)」の新作「Avatar:Frontiers of Pandora(アバター:フロンティアズ・オブ・パンドラ)」の映像を初公開して話題を呼んだ。

「Tom Clancy’s Rainbow Six:Extraction(レインボーシックス エクストラクション)」は9月16日に発売予定。元々のタイトルは「Rainbow Six:Quarantine(隔離)」と呼ばれていたが、明らかな理由で名前が変更された。

Capcom(カプコン)とTake-Two(テイクツー)は米国時間6月14日夜、Nintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)とBandai Namco(バンダイナムコ)は15日にショーケースを行う。Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)は米国時間7月22日に独自イベント「EA Play Live」を開催する予定だが、6月中に「Battlefield 6(バトルフィールド6)」に関する何らかの発表があることを予告している。さて、最後にご紹介するのは、新型Xboxの冷蔵庫の動画だ。新しいハードの発表がないなんて、誰が言った?

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:E3バーチャルイベントMicrosoftXboxXbox Game PassE3 2021、冷蔵庫

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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