企業も消費者も、みんなが前代未聞のこの現状を受け入れ、回復力を保とう奮闘している。回復には時間がかかるだろうが、最新の調査では適切な資源と準備さえあれば、いまも未来も、あらゆる障害を乗り越えられるという前向きな姿勢を貫く起業家精神の強靱さと、スモールビジネス経営者の根性が証明された。
American Express(アメリカン・エキスプレス)が初めて行った起業家精神に関する調査Entrepreneurial Spirit Trendex(アントレプレニューラル・スピリット・トレンデックス)が中小企業1000社を対象に行ったアンケート調査から、米国の起業家精神に関する大変に注目すべき洞察が得られた。パンデミックの渦中においても、スモールビジネス経営者の75%は事業の回復に対して前向きな考えを持ち、82%が将来の危機にはもっとうまく対処する心構えができたと考えているという。
スモールビジネスは積極的に助言を求めている
前例のないこの難局をうまく乗り切るために、企業経営者たちは適切な支援が得られる情報源を探している。企業は積極的にバーチャル会議やオンラインセミナー(47%)、バーチャルイベント(44%)、危機を乗り切るための助言と情報(44%)、ストレスを解消し気持ちを豊かに保つ方法が学べるもの(42%)を積極的に探している。
最大の懸案はキャッシュフロー
当然のことながら、経済危機においては81%の企業経営者がキャッシュフロー管理(Kabbageサイト)を優先させ、サービスのオンライン化など、支出削減と売上げ向上のための方法を特定しようとする。この調査で示された対策の順位は次のとおりだ。
- マーケティングを強化する(41%)
- 製品またはサービスをオンライン化する(40%)
- 支出を減らす(36%)
- 収入源を多様化する(35%)
方向転換を繰り返す
いまのままの事業方針でパンデミックに対処できるスモールビジネスなど、ほとんど存在しない。多くの企業にとって、2020年は方向転換の年だったが、その傾向は2021年も続くであろうことがこの調査から見てとれる。
データによると、企業経営者の76%はビジネスモデルの方向転換をしたか、方向転換の途中だと答えている。さらに、すでに方向転換を果たした経営者のうちの73%が、来年もまた方向転換をするだろうと考えている。事業の健全性を保つには、変化する市場の要求に対応できるよう、常に敏捷でいることが極めて重要となる。これはパンデミックでなくてもいえることだ。
態度を明らかにする
パンデミックを乗り切ることと同時に、企業経営者には現在、人種間の公平のための歴史的な戦いが強いられている。人種間の不公正への異議や、人種間の公平化を推進する団体への金銭的貢献の表明を通じて、改革に向けて戦っている経営者は多い(43%)。
また企業経営者は、自社の改革も実施している。調査に応じた経営者の73%は、職場の多様性を高めようとしている。そこで優先される課題の順位は次のとおりだ。
- 多様な従業員がより強い仲間意識が持てるように企業文化を徹底的に改善する(54%)
- 雇用と求人の手順を変える(47%)
- 将来、人種間の不公正に対処するための測定可能な目標を立てる(47%)
2020年は大変に多くのスモールビジネスが倒産に追い込まれたが、起業家精神はいまだ健在であり、その気持ちが前進を続け、改善を重ね、成功を目指す力になっていることが今回の調査でわかった。American Expressの報告書全文はこちらで読める。
【Japan編集部】著者のKathryn Petralia(キャサリン・ペトラリア)は、American Express(アメリカン・エキスプレス)傘下でスモールビジネスのキャッシュフロー対策を支援する企業Kabbage(キャべッジ)の共同創設者であり社長。
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(翻訳:金井哲夫)