エンタープライズチャットアプリケーションの優れた点の1つは、従業員にコミュニケーションのための共通の手段を提供すること以外に、他のエンタープライズアプリケーションとの統合を行えるということだ。米国時間3月29日、Facebookが提供しているエンタープライズ向けコラボレーションとコミュニケーションのアプリケーションであるWorkplaceと企業向けサービスマネジメントクラウドのServiceNowが、共同で新しいチャットボットを発表した。このチャットボットは、従業員たちによるWorkplace Chat内の社内ヘルプデスクの利用が、簡単にできるようにするためのものである。
このチャットボットの長所は、従業員はいつでもどこでも、よくある質問に対する答えを得ることができるということだ。WorkplaceとServiceNowインテグレーションは、Workplace Chat内で行われ、情報部門や人事部門のヘルプデスクのシナリオを取り込むことが可能だ。チャットボットを使用することで、企業は時間とお金を節約することができ、従業員は一般的な問題に対する回答をより素早く見つけることができる。
以前は、この種の回答を得るためには、複数のシステムをナビゲートしたり、電話をかけたり、適切なヘルプデスクにチケットを送信したりする必要があった。このアプローチは、ある程度の利便性と即時性を提供してくれる。
企業は、よくある質問と回答をブレインストーミングして、その結果をServiceNow Virtual Agent Designerを使って実装することができる。ツールには標準のテンプレートが付属しており、高度なスクリプト作成やプログラミングのスキルは必要とされていない。代わりに、技術者以外のエンドユーザーは、事前に用意されたテンプレートを、個々の組織のニーズ、言語、およびワークフローに合わせて調整することができる。
これはすべて、より多くのエンタープライズアプリケーションを自身に統合させたいと考えているFacebookの、戦略の一部である。昨年5月のF8カンファレンスでFacebookは、Atlassian、SurveyMonkey、HubSpot、Marketo(Adobeが9月に47億5000万ドルで買収)といった企業たちと、52に及ぶ統合を発表していた。
これは、エンタープライズチャットアプリケーションの大きな流れに沿うものである。すなわち、エンタープライズアプリケーション群を従業員の作業環境の中心に置きながら、アプリケーション同士の切り替えが発生するタスク切換えを極力減らして行こうとする流れだ。この種の統合は、Slackが非常にうまく行ってきたものであり、これまではそれを差別化要因として提供してきたものである。しかしその他のエンタープライズ向け企業も追いつきつつあり、本日のServiceNowとの発表もその一部なのである。
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(翻訳:sako)