ユーチューバー(YouTuber)のCasey Neistatが創ったソーシャルアプリBemeをCNNが買収した。BemeはCNN傘下の独自のメディアブランドになり、Varietyによれば、その11名チームをNeistatがエクゼキュティブプロデューサーとして率いる。
Bemeのファウンダーたちの同社設立動機は、撮影したビデオをすぐに、“編集して作品にする”前の段階で素早く簡単に共有したい、というものだ。YouTubeのビデオは作品指向、一方ライブのストリーミングにはビデオの共有という概念がない。このギャップを填めることを志向したのが、Bemeだ。NeistatはDisrupt New York 2016でBemeの創立ビジョンや財政状況を語ったが、そのとき彼は、わずかな資金を有効に使うために彼自身は同社からの給与がない、と述べた。
Bemeはソーシャルアプリとして2015年の夏にローンチし、最初のうちは、ダウンロード数50万、アップロードされたビデオ100万本と好調だったが、その後無風状態になり、ローンチから1年後にはNeistatがYouTubeビデオで、不調について説明した。そのあと5月には、アプリはベータを脱し、多くのバグフィクスと機能の調整が行われた。
結局Bemeは今でも、SnapchatやMusical.lyがソーシャルビデオアプリとして享受している成功とは、縁遠いところにいる。しかしCNNは、アプリよりもそのチームが欲しかったものと思われる。Bemeのプロデューサーもデベロッパーもコンテンツクリエイターも全員がCNNに雇用され、今後はミレニアル世代のオーディエンスに焦点を絞った新しいブランドとプロダクトを作っていく、とVarietyは報じている。
CNNがデジタルメディア部門の充実のために買収を行うのは、これが初めてではない。2011年にはFlipboardと競合していたZiteを買収したが、その後2014年には、そのZiteをFlipboard自身が買ってしまった。
Neistatは前に、彼が相当前からやっていた日刊のヴログ(vlog, ビデオによるブログ)をやめる、と発表したことがある。それは、今日のCNNへの参加のことを言っていたのだろう。