資金調達に関して、Berkshire Grey(バークシャー・グレイ)はかなり良い状態にある。2020年、同社がシリーズBで2億6300万ドル(約279億円)もの巨額を調達した後、マサチューセッツ州にある本社を筆者が訪問した際には、非常に意欲的な成長計画について語っていた。しかし、それは新型コロナウイルス感染流行が米国に本格的に上陸する前のことだ。
むしろ、新型コロナウイルスは自動化への関心を加速させた。企業が将来的な感染流行による避けられない影響から身を守る手段を探し始めたからだ。Berkshire Greyは米国時間2月24日、SPAC(特別買収目的会社)によって株式公開する最新のハイテク企業となることを発表した。Revolution Acceleration Acquisition Corp.(レボリューション・アクセラレーション・アクイジション)と合併することで、同社の価値は最大27億ドル(約2859億円)となる見込みだ。
Berkshire Greyはこのニュースに関連したリリースの中で、現在、自動化されている倉庫は5%と記している。この業界に関する議論でよく耳にする数字だ。それはフルフィルメントやロジスティクスを合理化しようとしている小売業者の間で大きな成長の可能性を示すものである。彼らの多くは、Kiva Systems(キヴァ・システムズ)の買収などによって独自のロボティクスの取り組みを大幅に強化してきたAmazonのような企業に対する競争力を保つ手段を探しているからだ。
Berkshire Greyは、完全自動化に近いグランドアップ・ソリューションを提供している。この技術は、Locus(ローカス)やFetch Robotics(フェッチ・ロボティクス)のようなプラグアンドプレイの自動化ソリューションとは一線を画すものだ。これらの会社が提供するものは、企業の自動化をより速く、より安価に行うことに焦点を当てている。Berkshire Greyのエコシステムには、ピッキングやグリッピングから画像センシングまで、さまざまなロボット技術が含まれており、この分野では300件以上の特許を取得している。
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「消費者の期待は変化しており、適切な商品を適切な場所に適切な時間に、可能な限り効率的に届けなければならないというサプライチェーン業務へのプレッシャーが高まっています」と、Berkshire GreyのTom Wagner(トム・ワグナー)CEOはこのニュースと関連したリリースで述べている。「この12カ月間、新型コロナウイルス感染流行はすでに高い変革へのプレッシャーを増幅させてきましたが、今日では企業が変革するかどうかではなく、どのくらいのスピードで変革するかが問題となっています。私たちは今度の取引について非常に興奮しています。これによってBerkshire Greyは成長を加速させ、当社の最先端のロボットソリューションを新規および既存の顧客に提供していくことができます」。
この買収により、Berkshire Greyには最大4億1300万ドル(約438億円)の現金がもたらされることになる。この資金を使って、顧客のバックログに対処し、国際的なプレゼンスを確立することを計画していると、同社では述べている。この件は第2四半期には完了する見込みだ。
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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Berkshire Grey、SPAC
画像クレジット:Berkshire Grey
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)