ファーウェイが略式判決を申請して禁制の根拠は違憲と主張

米国時間5月29日、ファーウェイ(Huawei)は、同社に対するトランプ政権による全面的な禁制に対抗する訴訟手続を開始した。この中国の通信ハードウェア大手は、輸入停止の根拠とされている国防権限法(National Defense Authorization Act)の条項の合憲性を問う、略式判決の申し立てを申請した。

同社の法務担当最高責任者(Chief Legal Officer、CLO)は、米政府に対してファーウェイが前から主張している一連の論点を列挙した。Song Liuping氏は、用意された声明でこう述べている。「米国の政治家は国家の力を利用して一民間企業を追及している。これは正常ではなく、過去にも例がない」。

ファーウェイはかねてから、モバイルデバイスと5Gのインフラストラクチャを含むネットワーキング機器に関し、同社と中国政府との密接な関係につき、そのセキュリティ上の懸念を米国から問題視されていた。また同社は、イランなどの国に対する米国の制裁に違反したとして非難されている。

両者間の問題はここ数カ月で急激に過熱し、アメリカの企業とファーウェイとのすべての事業関係が禁じられた。同社はスマートフォンに関しては代替プランがあるから困らないと言っているが、しかしGoogleのようなソフトウェア企業やARMのような部品企業との断絶は克服できないだろう。

Song氏の声明は、最近同社が米商務省の輸出禁制リストに載ったことを、やや大げさな語調で非難している。「それは危険な前例を作るものである。米政府は、ファーウェイがセキュリティの脅威であることを示す証拠を何1つ提供していない。銃がないのだから、煙もない。あるのは憶測だけだ」。

この申し立てに対する審理は9月19日に行われる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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