ファーウェイが第2四半期スマートフォン出荷台数でサムスンを抜く

ここ数年はHuawei(ファーウェイ)にとって順風満帆な状況ではなかった。同社の急成長は米国政府との間で継続中な紛争、とりわけGoogle(グーグル)のアプリやサービスへのアクセスを妨害されたことで、中断されている。しかしCanalysの最新レポートによると、2020年第2四半期(4月〜6月)の世界スマートフォン出荷台数で、巨人のSamsung(サムスン)を抜いて首位に立ったことから、かなり明るい見通しが描けている。

このニュースはいくつかの理由から画期的な出来事であるが、Apple(アップル)でもサムスンもない企業がCanalysのチャートでトップになったのは、9年ぶりであるという事実も重要だ。ファーウェイの数字を押し上げているのはそのほとんどが、現在同社の全売上高の70%以上を占めている中国での売上高だ。

しかしここで重要なのは、ファーウェイがサムスンほど急速に縮小していないことだ。ファーウェイの全体の数字は前年比で5%減少している。しかしこの数字は、サムスンの30%の落ち込みほどではない。2社の巨人の出荷台数は、それぞれ5580万台と5370万台だった。

新型コロナウイルスの前からスマートフォン業界の状況は悪かったが、人々は必要のないアップグレードのために数百ドルから1000ドルを支払う志向が弱まっており、パンデミックはさらに全体的に悪影響をもたらした。ファーウェイの数字は中国以外で 27%減少したが、全体的な減少は中国での8%の成長によって軽減されている。一方サムスンは現在、中国市場の1%未満しか支配していない。

しかし将来に目を向けると、ファーウェイがトップの座を維持するのは難しいかもしれない。「ヨーロッパなどの主要地域の重要なチャネルパートナーはファーウェイの品揃えや販売モデル数を減らしたり、リスクを減らすために新しいブランドを導入することにますます慎重になっている」とCanalysのMo Jia(モー・ジア)氏はレポートで述べている。「世界経済が回復し始めれば、中国市場での強さだけではファーウェイがトップを維持するのには十分でないだろう」。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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TechCrunch Japan

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