フィンテックスタートアップは2019年に世界で3.8兆円を調達

VCファームがレートステージ企業の支援に目を向け、そして発展途上のマーケットに注力したこともあり、金融サービススタートアップが2019年に調達した資金は2018年のものよりも少なくなったことが新たな調査で明らかになった。

調査会社CB Insightsの年次レポートによると、世界のフィンテックスタートアップは昨年、1912件のディールで計339億ドル(約3兆8000億円)を調達した。2049件のディールで408億ドル(約4兆6000億円)調達した2018年より少なくなった。

包括的なレポートで、ここでフルバージョンを読むことをお勧めするが(アクセスするには電子メールが必要だ)、下に主要ポイントを挙げる。

  • アーリーステージスタートアップは資金を呼び込むのに苦労した。レポートによると、シードもしくはシリーズAのクローズを考えていたスタートアップの2019年の調達額は過去5年間で最も少なかった。逆に、シリーズBまたはそれ以降のステージのスタートアップに注がれた資金は過去5年で最も多かった。

グローバルのディールは中期・後期にシフトしていて、アーリーステージのディールは過去12四半期で最も少なかった

  • 新興・フロンティアマーケットにおいて活発だった。南米、アフリカ、オーストラリア、東南アジアで過去最多となった
  • 昨年後期はアジアがディール件数、調達額の両方において欧州をしのいだ。第3四半期に欧州のスタートアップは95件のディールで16億ドル(約1785億円)を調達したのに対し、アジアのスタートアップは157件のディールで18億ドル(約2000億円)を調達した。第4四半期も似たような流れで、欧州のスタートアップはディール100件で12億ドル(約1340億円)を、アジアのスタートアップはディール125件で21億4000万ドル(約2390億円)を調達した。
  • 2019年に24社のフィンテックユニコーンが登場した。2019年第4四半期にはNext Insurance,、Bight Health、Flywire、High Radius、Ripple、そしてFigureを含むフィンテックスタートアップ8社がユニコーンになり、残り16社はその他の時期にそのステータスを得た。

今月初めの時点で世界のフィンテック分野でのユニコーンは67社

  • 保険テック部門、または保険サービスを提供しているLemonade、 Hippo、Next、Wefox、Bright Healthは昨年、多額の資金を獲得した。合わせて62億ドル(約6900億円)を調達し、2018年の32億ドル(約3570億円)よりも増えた。
  • 中小企業向けにインボイスや税金などのサービス、給与支払いや決済などのソリューションを提供するスタートアップもVCに気に入られた。この分野で140以上のスタートアップが操業する米国だけでも40億ドル(約4460億円)を調達した。多くのマーケットでそうしたスタートアップが興っている。たとえばインドではOpenやNiYoが零細事業者向けのネオバンクを立ち上げていて、両者とも昨年資金を調達した。
  • フィンテックスタートアップへの資金の50%近くが83件のメガラウンドに集中している(サイズは1億ドル=110億円以上だ)。調査会社によると、2019年は欧州を除く世界全体でそうしたメガラウンドが記録的に多い年だった。

2019年には83件のメガラウンドがあり、総額は172億ドル(約1兆9000億円)だった

  • ドイツ拠点のスタートアップの資金調達は過去最多となった。2019年には65件のディールがあり調達額は17億9000万ドル(約2000億円)だった。2018年はディール56件、調達額7億5700万ドル(約840億円)、2017年はディール66件、調達額6億2200万ドル(約690億円)だった。
  • 東南アジアの金融スタートアップは2019年に124件のラウンドで9億9300万ドル(約1100億円)を調達し、これまでで最高の年となった。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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