SpaceXが来月にも約279億円調達、企業価値4兆円に

CNBCのMichael Sheetz(マイケル・シーツ)記者のレポートによると、SpaceXは新たに2億5000万ドル(約279億円)の資金調達を模索している。CNBCの情報筋は、新たな調達でSpaceXのバリュエーションは360億ドル(約4兆円)になる、と見込んでいる。直近に発表されたバリュエーションから25億ドル(約2790億円)超の増加となる。

ロケットを打ち上げるSpaceXはElon Musk(イーロン・マスク)氏が創業・経営している。もちろんマスク氏は巨額の資金を調達する術を知っている。2019年にはいくつかのラウンドで13億3000万ドル(約1480億円)を調達した。累計で、同社はこれまでに30億ドル(約3350億円)を調達しているが、これほどの額の資金を調達してきたのは壮大な野心を持っているからだ。

SpaceXはまた、かなりの売上を上げている。例えば、NASAの商業クルー・プログラムの一環として宇宙船Crew Dragonを開発する契約の額は31億ドル(約3460億円)だ。また、同社は顧客にFalcon 9ロケット打ち上げ1回あたり6000万ドル(約67億円)を請求する。昨年だけでSpaceXは13回ロケットを打ち上げた。

しかしSpaceXは栄誉または既存のテクノロジー投資にあぐらをかく企業ではない。同社は「Starship」という次世代の宇宙船の開発に取り組んでいる。StarshipはゆくゆくはFalcon 9とFalcon Heavyに取って代わる可能性がある。しかもFalcon 9とFalcon Heavyのシステムでは一部が再利用可能であるのに対し、Starshipは完全に再利用できる見込みだ。同社の予想が正しければ、運用が始まるとかなりのコストを削減することができてSpaceXの業績に大きく寄与する。しかしそこに到達するには、Starshipを確実に飛ばすために必要なテクノロジーの開発に相当の資金をつぎ込まなければならない。

マスク氏は最近、大きな変更やアップデートを加えたStarship新バージョンを可能な限り早く建造するという、同社の計画の詳細を説明した。Starshipのスケール、そして示された新モデルの建造には巨額の費用が伴うことを考えた時、SpaceXが現在の資本にさらに資金を加えるというのは理にかなっている。

資金調達は来月中旬くらいになりそうだ、とCNBCは報じている。TechCrunchはSpaceXにコメントを求めているが、この記事公開までに返事は得られなかった。

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(翻訳:Mizoguchi