Facebook(フェイスブック)は、ニュースパブリッシャーに有料購読登録をしているユーザーのソーシャルネットワークにおける利便性と有用性を高める新機能のテストを行っている。
仕組みはこうだ。フェイスブックはパートナーになっているパブリッシャーで有料購読登録をしているユーザーを特定すると、そのパブリッシャーのニュースアカウントをFacebookアカウントと連携することを促す招待をユーザーに送る。一度連携してしまえば、ユーザーがフェイスブック上でそのパブリッシャーの有料記事を発見したとき、ログインし直すなどの手間をかけずに読めるようになる。
また、パブリッシャーの購読者が自身のFacebookアカウントを連携させると、通常よりも多く、そのパブリッシャーの記事がフェイスブック上で提示されるようになる。同社は「今後、購読者の利便性向上のためのさらなる機能を開発し提供していく」とも話している。
The Atlanta Journal-Constitution(ジ・アトランタ・ジャーナル・コンステューション)、The Athletic(ジ・アスレティック)、 Winnipeg Free Press(ウィニペグ・フリー・プレス)は、すでにこの機能を試している。フェイスブックによれば、アカウントをリンクさせた購読者は、このテストに参加していないユーザーと比較して、平均して111%多く、記事をクリックするようになったという。さらに、これらの購読者のパブリッシャーのフォロー率は、34%から97%に増加した。
「Facebookアカウントとの連携は、The Athleticの購読者に、大好きなソーシャルメディアのプラットフォームで時を過ごしている最中でも我々の記事にアクセスできる便利で簡単な方法を提供してくれました」と、The Athleticの製品マーケティング担当副社長であるCharlotte Winthrop(シャーロット・ウィンスロップ)氏は声明の中で述べている。「これにより、弊紙購読者のエクスペリエンスは拡大し、The Athleticとの繋がりが保たれ、応援するチーム、リーグ、選手の最新情報が常に届けられるようになります」。
フェイスブックはこれまで、ニュースパブリッシャーと複雑な関係にあった。過去に、フェイスブックの方針転換に痛い目に遭わされたパブリッシャーも少なくない。
報道機関が、購読数を伸ばそうと外部のプラットフォームに依存する場合、一番の問題となるのは、購読者がどちらに帰属するかだ。その点、今回のフェイスブックのアプローチは、各パブリッシャーとの購読契約はこれまでと変わらず必要になるため、パブリッシャーにとってはだいぶ受け入れやすいものとなる(フェイスブックを通して購読するわけではないからだ)。
フェイスブックの現在のニュース戦略は、Facebook News(フェイスブック・ニュース)に重点を置いている。これは、Facebookアプリのメインの画面に表示されるジャーナリズム専用のタブで、最近になってグローバル展開が始まったばかり(未訳記事)のサービスだ。また同社は、限定的に無料でニュース記事を読めるようにするInstant Articles(インスタント・アーティクルズ)で、パブリッシャーの購読増進の応援(Facebookリリース)も行っている。また、ジャーナリズムへの資金援助の一環として、地方の報道機関が、フェイスブックを通していなくても購読者数が増やせるように援助するフェイスブックはLocal News Subscription Accelerator(ローカル・ニューズ・サブスクリプション・アクセラレーター)(未訳記事)も立ち上げている。
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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(翻訳:金井哲夫)